東洋証券・深堀マネージャーが
中国企業と株についてわかりやすく解説します

第25回
苦境からの脱出?「第二の春」

「広東科龍電器」 (香港H株 市場コード0921)
(ガンドン・ケロン)

同社は中国の大手家電メーカーで、中国本土(A株)と香港にH株として上場しています。冷蔵庫やエアコンメーカーとしての知名度は国内でも群を抜いています。ただ、中国国内での家電業界、特に白物家電は競争が激化しており、同社の業績も2000〜2001年と2年連続赤字となっています。

[ST制度]
中国国内(上海・深セン)の株式市場では、3期連続で赤字を計上すると、当局の審査後に最悪の場合は上場廃止になります。そのため、2期連続で赤字に陥った場合は要注意銘柄としてST銘柄と呼ぶようになります。
ST銘柄とはSpecal Treatmentの略です。
2期連続赤字となった場合、または1株当り純資産が1人民元を下回った場合も同様にST銘柄と呼びます。イエローカードが出されるようなものです。

さて、同社も2期連続赤字を計上しましたので現在はST銘柄となっています。今期も赤字を計上するようであれば、厳しい状況になる可能性もあります。

[第二の春]
しかし、同社のコメントによると第三四半期で黒字となり、2002年通期決算も黒字になる見通し。
(あくまで会社側のコメントですが。)

また、同社の顧雛軍薫事長はこのほど開かれた、「2003年度科龍電器販売業者大会」の席上で、農村に冷蔵庫が普及する時代がやってきたと指摘、中国冷蔵庫販売業の「第二の春」を作り上げていく方針を述べています。
同氏は
(1) 農民の現金所得が1ヶ月に300元から400元になり、冷蔵庫の第一次普及時の国民平均所得200元を超えた。
(2) 中国政府が農村の電気網を改造し、農村の電気料金が値下がりした。などと分析。
農村への冷蔵庫普及に商機があると強調するとともに、同社の低価格ブランドである「康拝恩」の冷蔵庫は1L当たり6.5元から7.5元で農村向きだと語っています。
同社では、農村では旧正月前に消費が高まることから、この時期に次回の販売業者大会を企画し、冷蔵庫「康拝恩」を大いにアピールする方針。

中国企業のほとんどは12月決算です。来年2月から4月までには決算が出そろいます。
同社の株価は現在0.940香港ドルです。(12月26日終値)

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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