| 第15回中国 マイカー事情 最終
 ■駿威汽車(香港H株、市場コード0203)(デンウェイ・モータース)
 これまでご紹介してきた自動車メーカーの中で、普通乗用車メーカーとして私達が購入できる株式は、
 今のところ駿威汽車だけです。
 [純粋持ち株会社] 同社の事業形態は純粋持ち株会社です。2000年6月に「デンウェイ投資」から現在の社名に変更しました。
 同社が95%出資している「広州汽車」は
 日本のホンダと折半出資で98年に「広州ホンダ」を設立しました。
 [普通乗用車市場で3割近いシェアを占める] ホンダとの合弁会社「広州ホンダ」は中国の普通乗用車(排気量2000cc超)市場で、
 2000年29.6%、2001年28.9%と、
 約3割近いシェア実績をもっています。
 高級乗用車としての強いブランド力を持つ同社の主力車種は、
 これまで「アコード」でしたが、
 今年4月からは「オデッセイ」を投入しました。
 当初、「オデッセイ」の年間販売台数を10,000台としていましたが、
 急遽14,000台に変更されました。
 (ちなみに「オデッセイ」の中国での販売価格は約470万円位です。
 「アコード」の販売は2001年度5万1,058台で、
 前年度比58%増となっています。
 2001年12月期連結業績は、
 売上げ64.8%増、純利益59.8%増となり、
 大幅増収増益の大躍進の年となりました。
 2002年12月の連結予想は、
 売上げ9.6%増、純利益17.5%増としています。
 [今後の課題と計画] 中国の乗用車市場は新車販売が1〜7月累計で、前年同期比40%増の54.3万台と快走を続けています。
 しかし、WTO加盟にともなう競争激化は
 事業面における最大のリスク要因です。
 現状では小型乗用車市場においてメーカー間の値引き競争が、
 年初から起きています。
 今のところ
 「アコード」が3割前後のシェアを占める普通乗用車市場においては、
 「広州ホンダ」や「上海GM」をはじめ主要メーカーは
 販売価格の据え置きを表明、静観の姿勢をみせています。
 その背景には、WTO加盟にともなう関税の引き下げや
 輸入枠の拡大がいよいよ本格化する一方、
 当局は部品輸入を最優先する意向であるため、
 少なくとも目先は急激な完成車輸入がそれほど増えない
 との読みからだと思われます。
 「広州ホンダ」は製品の品質を維持しながら部品の国産化も進め、各タイプで国産化率50%を超えています。
 また、強いブランド力を背景に販売網の構築を進め、
 2001年末には販売店が100店を突破しました。
 今年末までに160店舗まで広げていく計画です。
 また会社側は、今期の計画目標の一つとして、
 年間12万台の生産体制の構築を掲げています。
 「アコード」と「オデッセイ」をあわせた販売台数は
 計画で約6万台となっていることから、
 他は中国本土市場向け軽自動車のほか、
 欧州むけ輸出車の生産に充てられる可能性もあります。
 著しい伸びの軽乗用車市場への進出は、
 早ければ来年にも実現しそうです。
 最後にこれまでお伝えしてきました様に、中国の自動車業界も今後、
 ますます大きな変化が生じてくると思います。
 今年1月から排気量3000cc以下の輸入車の関税が
 70%から43.8%へ下がりました。
 2006年までに段階的に25%まで下がります。
 業界内での合併や再編、提携などで、
 100社以上のメーカーも淘汰され
 将来は3社を中心とした中国自動車業界が誕生すると予想されます。
 携帯電話やコンピューター保有台数と同じ様に、
 中国が自動車保有台数も世界一になる可能性を秘めています。
 マイカー時代の幕開け。
 「まだスタートしたばかり」というのがキーワードではないでしょうか。
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