第13回
中国 マイカー事情 その3
上場自動車メーカー紹介
中国版のトヨタや日産やホンダの株があれば購入したいと思います。
しかし、中国のビッグスリーと呼ばれる「第一汽車」は深A株市場に、
そして「東風汽車」や「上海汽車」は
上海A株市場にしか上場していません。
したがって私達はまだ
中国の自動車3大企業の株を購入することはできません。
〔その他の上場自動車株〕
自動車産業は自動車消費ビームに火が付いたことから、
今後は予想を上回る成長が期待されています。
広深大な中国市場。
普通乗用車だけではなく、
軽自動車、商用車、トラック、バスメーカーなども
旺盛な需要を背景に成長していくと予想されます。
私達が買える中国の自動車株は香港H株に1社、
香港レッドチップに2社、深B株に2社、
そして香港GEM市場に1社上場しています。
〔軽乗用車の著しい成長に注目〕
■「重慶長安汽車」(深B株、市場コード200625)
中国の主要自動車メーカーの1社で、日本のスズキと提携しています。
軽乗用車、トラック生産能力は国内第一位で、
軽乗用車「アルト」、ミニバン、小型トラック「長安」、
小型乗用車「長安カルタス」が主力製品です。
2001年本決算では売上高9.37%増、
純利益は8.5%増となっています。
連結ベースの販売台数は約19万9千台。
車種別内訳は小型トラック19%、ミニバン59%、
アルト17%、長安カルタス5%。
2002年上半期では、値下げ効果もあり、
販売台数17%増、純利益41%増となっています。
今年3月からスズキとの提携で開発された
新型の「長安新星」を市場投入しました。
価格はシリーズ登場以来、初めて4万元を下回る39,800元に設定。
この低価格新型車で更なるシェア拡大を狙っています。
また今年6月には
親会社「長安汽車集団」傘下の販売会社78社を買収し、
安定した販売システム、アフターサービスシステム構築を目指しています。
ちなみに同社は、2000年の全世界における
自動車の製造台数ランキングでは第20位でした。
■「江鈴汽車」(深B株、市場コード200550)
14社ある国家重点プロジェクトの自動車メーカーの1社です。
日本のいすゞと提携し、
フォードが同社の第2社の株主(29.9%)となっています。
軽トラックとミニバンなどの商用車が主力商品です。
製造販売している主な車種は、
軽トラックのいすゞNシリーズ、ピックアップトラックのいすゞTFシリーズ、
ワンボックスのフォード「Transit」シリーズなどがあります。
同社は1998年、1999年と2年連続の赤字決算となっていましたが、
主流車種に対して思い切った値下げを断行し、
経営戦略の転換を打ち出しました。
その結果、2001年本決算では売上高が前年比19.6%増、
純利益が同89.2%増と大幅な増収増益となりました。
自動車販売台数は同41.8%増の37,140台となりました。
同社の業績は今年も好調に推移しており、2002年上半期は
プックアップトラックの販売好調(台数ベースで前年比10.9%増)などにより、
18%増収、中間純利益は4倍増となっています。
私の家は昭和38年頃にはじめて車を購入しました。
当時、地方では女性ドライバーのはしりで母が免許をとり、
確かスバルの軽自動車だったと記憶しています。
当時の日本では、
サラリーマン家庭で普通自動車を買える余裕はありませんでした。
中国がマイカー時代に入ろうとしていますが、
一般大衆が普通乗用社を購入するにはまだ少し時間を要するでしょう。
中国の生活水準に合った
軽自動車の好調な販売の伸びに注目したいと思います。
次回も中国の上場自動車メーカーをご紹介します。
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