第11回
中国 マイカー事情 その1
テレビ東京放送の、ガイアの夜明け特別版
「大地中国を駆ける」(日曜夜9:00)をご覧になった方も多いと思います。
ちょうど前号で、
次回から中国のマイカー事情をご紹介しようと思っていましたので、
私も2時間余りTVに見入ってしまいました。
「王者トヨタ中国に挑む」というタイトルで、
トヨタが先の(8月29日)中国ビッグスリーのひとつ
第一汽車と包括提携を結び、
いよいよ中国へ本格進出する様子などを報じていました。
かつて先進諸国が自動車産業によってどれだけの経済発展を遂げてきたか、
皆様が一番ご存知だと思います。
20世紀最後の奇蹟と呼ばれた中国の経済発展は
21世紀の主役の座に躍り出ようとしています。
2000年末の中国の1000人当り自動車保有台数は12.7台です。
ちなみに世界平均は121台で、日本は572.6台となっています。
世界一の人口を擁する中国の全国平均ですが、
それにしても1.27%は低すぎます。
富裕層が多いとされる都市部でも、まだ16%未満といわれています。
今年、上半期の中国の自動車生産は累計で154.8万台でした。
これは前年同期比で30.1%増と驚くべき伸びを示し、
過去最高水準となっています。
しかし、これはまだまだこれから始まる中国モータリゼーションの
ほんの入口にしかすぎないと思っています。
中国は今年、一人当たりGDPが1000ドルを突破しました。
モータリゼーション、マイカー時代が到来する条件の一つに、
一人当たりGDPが1000ドルを上回った頃からという見方があります。
日本も1000ドルを上回り、
本格的にマイカー時代が到来したのは昭和40年代に入ってからでした。
勿論、その背景には個人所得の増加が必須です。
朱鎔基首相が打ち出した「所得倍増論」で、
年々着実に中国人の所得は増え続けています。
今はまだ、
自家用車の購買者層が相変わらず一部の高所得者に限られていますが、
社会階層として厚みを増しつつある中間所得層の台頭により
需要は一気に増大してくるでしょう。
またローンなどの普及により住宅(マイホーム)が急速に伸びていることからも、
マイカーを手に入れるという夢は確実に現実のものとなりつつあります。
豊かになりたい。マイホームに住み、自家用車を持つことはステイタスだ。
中国ではいま車に熱い視線が注がれています。
次回は中国の自動車政策についてご紹介したいと思います。
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