| 第500回いずれも10%強上昇する保険セクターは「1人勝ち」?
 H株指数構成銘柄40銘柄について、05年末終値と比べた時の
 06年1月13日終値での伸び率で
 2桁を超えている15銘柄のうち、
 5銘柄を除いて、
 いずれも証券会社による株価評価が
 上方修正されています。
 残り25銘柄のうち、証券会社による評価が
 はっきりと上昇したと確認できるのは5銘柄だけです。
 いかに、証券会社の評価が
 株価に大きな影響を与えているかが分かります。
 また、上昇率のトップ集団は多くが年末年始にかけて
 金融機関による買い増しが行われているのも
 特徴といえるでしょう。
 そのほか、個別の理由で上げていると考えられるものを
 いくつかご紹介すると、
 広深鉄路(0525)はもともと
 高配当、優良銘柄としても知られており、
 03年は新型肺炎SARSの影響を受けて
 業績を落としたものの、その後は回復。
 広東省近辺の鉄道輸送市場の将来性も
 高く評価されており、
 06年にはA株を発行するとも見られています。
 こうしたことが材料になり、
 伸び率は19.35%に達しています。
 国際価格は原油ばかりではなく、銅や金なども上昇、
 それぞれ江西銅業(0358)や
 紫金砿業(2899)が
 高い上昇率をみせています。
 H株指数構成銘柄ではありませんが、
 05年IPOの大注目・建設銀行(0939)も
 同期間中10%以上上げています。
 しかし、H株指数構成銘柄である
 交通銀行(3328)は
 それを上回る20%近い上昇をみせています。
 交通銀行については、
 2008年までに世界的金融機関であり、
 既存株主でもあるHSBC(0005)が
 持ち株比率を40%にまで引き上げるとの報道もあり、
 注目されています。
 前回も紹介した通り、今回のH株指数の上げ相場、
 セクターごとにみていくのは
 なかなか難しいのですが、
 その中でも保険関連3銘柄は
 軒並み2桁を超えています。
 業績が好調なこと、今後の保険市場の成長性、
 それらを踏まえた上での3銘柄
 いずれも証券会社から高い評価を受けていること、
 などが要因になっているようです。
 
          
            | ・中国人寿保険(2628) | +10.95% |  
            | ・中国人民財産保険(2328) | +12.36% |  
            | ・平安保険(2318) | +13.99% |  今回、この上昇率をテーマとして取り上げたのは、急激に上げたものほど、
 調整時も反動が大きくなる、
 ということを申し上げたかったのですが、
 保険セクターだけに関しては、
 確かに諸々の要素から考えて、
 株価上昇そのものに客観的背景もあって、
 「1人勝ち」の可能性もあります。
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