| 第486回2006年の中国と中国株を見据える8つのポイント
 前回、単純なサイクル論をご紹介いたしましたが、旧年中にも指摘したように、
 それだけで将来が見通せれば
 こんなに簡単な話はないわけで、
 今回、実際に2006年は中国株にとって
 どのような年になるのかを見ていきたいと思います。
 今の段階で、06年に検討しておきたい事柄としては、
 以下の何点かを挙げられます。
 1.企業業績の悪化状況、原油や原材料価格の動向2.人民元切り上げ圧力と再度の切り上げの可能性
 3.WTO加盟5年、年末に金融開放で市場開放一段落
 4.第11次5カ年規画(「十一五」、2006−2010年)初年度
 5.個別セクターの動向
 6.国有企業改革、株式構造改革の影響
 7.日中関係及びアジア情勢
 8.07年の中国共産党
 第17回全国代表大会(十七大)に向けた
 政治的変動の有無
 このうち、「1」「2」「4」については以前までにかなり詳しく触れてきましたので、
 詳細は省きますが、
 ただし、「4」については、
 ポイントだけを抑えておきます。
 それが下記の点になるかと思われます。
 ・環境への配慮が実現できるか・生産の安全確保はどうか
 ・投資の妥当な抑制と
 個人消費(内需)→小売額と所得(収入)の活性化
 ・都市部と農村部の格差
 ⇒経済成長の「質的転換」の実現度合いが試される
 上から二つは、実は旧年中に紹介した
 05年の10代ニュースの中に含まれた二項目
 (6.松花江汚染問題、問われる環境意識と
 7.頻発する炭鉱事故、生産の安全性確保が課題に)
 に対する克服すべき課題です。
 上から三つ目と四つ目についてはすでに以前までにご紹介した問題ですので、
 改めては述べませんが、
 総じて、矢印に示されることに集約できます。
 また、「3」については、WTO加盟後5年を経過する06年は
 つまり過渡期の終了を示すものであり、
 少なくとも07年以降は原則的に
 すべての市場開放を進めなければならないとされる
 承諾の履行とも関係してきます。
 最新の報道では、最後の砦となっていた
 「金融(銀行業など)の開放」は、
 1カ月前倒しで、06年12月にも
 実現するのではないかといわれています。
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