第434回
反日・嫌中リスクは五輪と万博にどう影響するか

多くの日本人が、
靖国参拝がどれだけ中国国民に
嫌悪されるか分からないまま、
中国では日本人の気づかないところで
反日感情が高まっています。
また、2005年10月16日の中国における
F1シリーズ最終戦・中国グランプリ(上海)と
北京国際マラソンにおける不手際が
あまり中国人には知られていない
ということに象徴されるように、
日本では中国人の気づかないところで
不信感や嫌中感が高まっているというのが実情です。

このように、残念ながら
中国株の大きなリスクの一つでもある
「反日・嫌中リスク」は確実に進行しています。

本当に残念に思うのは、
お互いが知らないところで
こうしたすれ違いが進行していること、
またお互いが感情的になっていることもあって、
相互に理解しあう機会が極めて少ないことです。

特に気になるのは、
同じ日に二つの大きな世界的イベントで
不手際があったことです。
これは、中国にとってもかなり大きな痛手ですが、
中国経済の魅力と考えられている
2008年の北京五輪、
2010年の上海万博の運営に対して、
日本を中心にして、
大いに疑問をもたれることになるかもしれません。

日本を中心に、というのは、
靖国神社参拝に対する中国の態度が
硬化すればするほど、
日本の中に中国に対する反発が生まれて、
そうした疑問が持たれやすくなる環境が
出来上がることも意味しています。

私としては、
今回の不手際があったとはいえ、
結局は08年の北京五輪、2010年の上海万博は
大過なく運営できると考えております。
それらを機に、中国は完全に
生産工場からマーケットに変貌していく、
というのは以前にもお話したと思います。

ただし、日中間の微妙な関係は、
もしかしたら表面上は06年ともされている
小泉首相の将来的な退任で一段落着き、
08年と2010年に大きな影響を与えることは
なくなるかもしれませんが、
靖国参拝とそれにあわせるように生じた
世界的イベントの中国による不手際は、
中国株にとっても五輪と万博は
ターニングポイントと目されている中で、
今後若干緒を引きそうな予感がしています。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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2005年10月24日(月)

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