第389回
国際コンテナ2倍増益、今後の元切り上げの影響は?
世界最大級のコンテナ製造メーカーの
中国国際コンテナ(200039)が8月17日、
2005年6月中間期決算を発表しました。
売上高は前年同期比
63.37%増の181億2748万2652元、
純利益は同2.19倍増の20億5101万5084元、
EPS(1株当たり利益)は
1.017元となったといいます。
コンテナ製造事業が58.87%増収となったほか、
運輸車輌製造事業で約2倍と
大幅な増収を記録したことが、
結局大きな増益につながったといいます。
05年前半、人民元切り上げ観測で、
株価はかなり大きく揺れました。
好業績は予想されていたことですが、
中国国際コンテナは以前に
あまりにも業績がいいので粉飾決算疑惑が持たれ、
それが株価に大きく影響する場面も見られました。
あまり業績が良すぎるのも、
それはそれでリスクになりえるところが、
中国株の特徴の一つかもしれません。
ともあれ、
やはりB株を代表する優良銘柄である
中国国際コンテナの業績及び今後は気になります。
今回の決算報告では、中国国際コンテナによる
人民元切り上げの影響に対する見方を掲載しています。
それによれば、結論として、
「短期的に、人民元の切り上げが、
当社業務の発展に
一定程度のマイナスの影響を与えることになるが、
長期的に見れば、その影響の度合いは、
業務をめぐる環境や原材料市場の需給状況、
当社戦略と業務構造の変化を見極めて
判断しなければならない。
当社では、(原材料などの)買い付けや決済、
負債構造などの方面で、一連の調整を行い、
元切り上げに対する措置を
継続的に講じていく準備を展開する」
というものです。
短期的なマイナス影響は肯定しつつ、
対応を講じていくことを明言していますが、
長期的な影響に対して、言葉を濁しています。
実際問題として、
2%程度の今回の切上げ幅であれば、
同社の業務や経営に
影響を与えることになるとは思えませんが、
かなり慎重な分析といえます。
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