| 第384回MTRとジョルダーノ:香港ディズニー効果は?
 香港ディズニーランドに関連して、香港の地下鉄会社であるMTR(0066)は、
 香港ディズニー線を開通させています。
 香港ディズニーランド自体は9月のオープンですが、
 この香港ディズニー線は8月初頭には開通、
 ものめずらしさもあって、
 初日からかなり込み合ったとの報告もあります。
 現在までに、香港ディズニー線の活況が続いたとしても、
 MTRの業績そのものに
 大きな影響を与えることになるとは
 考えられていません。
 むしろ、05年7−12月の業績は、
 1−6月と比べて
 スローダウンする見込みを発表しています。
 これは、1−6月が2.2倍増益と急成長したこと、
 この数値が基数となっているためとされていますが、
 少なくとも香港ディズニー線が
 これを挽回できるほどのものではないと、
 会社側が見ていることは明らかです。
 2005年7月、アパレル用品の生産と販売にあたる佐丹奴国際(ジョルダーノ、0709)は、
 ディズニーとアジア太平洋地区における
 商品特許契約を締結、
 アジア太平洋地区12の国と
 地域におけるキャラクターの版権、
 生産および関連商品の販売権を取得して、
 早速ディズニーキャラクターの
 カジュアル衣料を発売しています。
 独占契約ではなく、一定の版権費を支払わなければならない
 契約内容ながらも、
 これが発表された翌21日に、株価は急騰しました。
 モルガン・スタンレー証券では、
 ディズニーキャラクター衣料と
 一般のカジュアル衣料の粗利率は変わらない
 (同社上層部の見解)ものの、
 ディズニーキャラクター衣料の年間販売数を
 100−300万着と仮定、
 2004年の粗利率をもとに算出した06年の利益予想は、
 1.9−5.7%の上方修正となるとも発表しています。
 一方で、7月26日付の現地報道によれば、メリルリンチ証券は、
 ジョルダーノの投資判断を「売り」としています。
 この投資判断とディズニー関連製品の関係は
 触れられていませんが、
 一般論として、これまで市場におけるコスト上昇を
 低く予測していたこと、
 および中国本土の競争激化の影響などが
 勘案されたようです。
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