第343回
吉か凶か、ペトロチャイナの親会社資産買収
中国石油天然気
(ペトロチャイナ、0857)が
親会社の海外資産、
中油勘探開発有限公司
(Zhong You Kan Tan Kai Fa Company Limited、
通称Newco)の
50%権益を買収することで、
同社の石油や天然ガスなどの生産量は
4−6%程度上昇する見込みです。
また、同社が今まで保有していた
インドネシアの小規模な海外資産についても、
今回買収を予定しているNewcoに注入し、
海外事業の一本化を図る予定です。
特に、Newcoの主力で、
その100%子会社である中油国際は、
インドネシア事業が中心ですので、
グループ全体のインドネシア事業が
統合される道が開けます。
こうした動きから考えても、
今回の買収は、
同社全グループを絡めた再編といえそうです。
買収そのものは、
臨時株主総会にかけられる予定です。
バフェット氏などが流通株主として控えており、
その動向も報道されていますが、
買収そのものの大勢には
影響ないものと思われます。
今回の買収が同社の今後の事業に
どう影響するのか、が問題になってきます。
個人的には、今回の買収は、
関わる金額が大きかったために、
かなり騒がれていますが、
本質的にはグループ内の再編であり、
産油量が5%上がれば、
それだけ収益も上がる可能性がありますが、
それ以上、あるいはそれ以下の影響について、
同社事業に目立ったものはないと思われます。
6月13日、同社では、
今後3年間の設備投資額を発表、
それによれば、05年は7.4億ドル、
06年は4.9億ドル、07年は3.4億ドル、
総額15.7億ドルに上るといいます。
原油の高止まりが続いている中で、
2005年は業績堅調が予想されますが、
2006年からは
原油価格がどうなるか次第ということもあります。
ただ、国策企業としては、
投資をどんどん活発に行うこと自体、
長期的に考えれば好材料になりますし、
やはり長期的なスパンに立てば、
今回の買収も
必ずプラスに作用するものといえます。
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