第338回
上海は続落するか? 底を見極める準備を
上場企業のガバナンス(企業統治)や
情報開示不足はもちろん
中国特有のものではありません。
私も以前までは、
中国の市場が未成熟だから、
こうした問題が頻発するとも考えていましたが、
市場の成熟度合いと関係ないことは、
日本や米国でも同じような問題が、
時には非常に大規模なものまで起きていることでも、
分かります。
残念ながら、
上場企業のガバナンスや
情報開示不足を完全に改善することは、
中国に限らず、
世界的な難問なのかもしれません。
そうしたリスクは
株式投資にはどうしても付きまといますし、
それを極力回避することは
もちろん大事なことですが、
中国で何かあれば、不備だ、未成熟だ、
と断定することは非建設的です。
非流通株式の放出をめぐっては、
今後もどたばたが続きます。
これは間違いないことです。
現地では、
上海総合指数で1000ポイント割れはもちろん、
今後も引き続き下げて
700ポイント、600ポイントあたりまで
見えるのではないかともされています。
非流通株式の放出が
長期的には市場や上場企業にとって
プラスになるという考え方は、
専門家に限らず、
一般の人までを含めた形で、
現地でもようやく根付き始めてきたようです。
ただし、証券当局の煮え切らない言葉
(方針ばかり繰り返して、
実際の行動が伴わない、目新しいものがない)
状況が続き、
さらに続落していく可能性がささやかれるのは、
無理のないところかもしれません。
証券当局では、
市場活性化の一環として、
ファンドの育成に注力していく方針が
再確認されたともされますが、
これ自体は特に目新しいことでもなく、
熱望されている実際の行動とは程遠いものです。
そうした意味で、
正直、中国本土には市場としても、
個別銘柄的にも、
特に大きな好材料となる要素は、
少なくとも短期的にはありません。
ただ、このまま下げ続けることは
考えられませんし、
以前にも指摘したとおり、
やはり2005年、
中国本土は底を探る時期となるはずです。
冷静にそれを見極める準備が必要になるでしょう。
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