第310回
中国人青年の常識「狼牙山五壮士」からみる認識
今回も引き続き、
中国のウェブサイトのある書き込みを
編集翻訳したものの一部をご紹介します。
米国の研究室に勤める中国人青年が、
その研究室に入室希望の台湾女性と
「台湾独立」とその阻止について
熱く(?)語っています。
というよりも、
この中国人青年と台湾女性の温度差こそ、
今回のポイントになってくるかもしれません。
■ 中国のウェブサイトのある書き込み−第3回
彼女はやはりびっくりしているようだった。
私は表面上淡々と、
本当は非常に大きな矜持を内に込めて、言った。
「私は小さい頃からこのように教育されてきたのだ」。
彼女はぽかんとしていた。
私の言葉があまり届いていないようにも見えた。
私もむしろ不思議な気持ちになった。
そこで、わたしは
狼牙山五壮士の話を彼女にしてあげた。
抗日戦争
(日中戦争:狭義には1937年〜1945年)の時期、
馬宝玉を筆頭に、葛振林の補佐を得て、
宋学義、胡徳林、胡副才という八路軍(共産党系の軍隊)
第一軍分区第一団第七連第六班が
北京の近くにある狼牙山で、
押し寄せてくる日本の侵略軍を撃退するという物語は、
私にとっては常識であり、
いつ聞いても、自分で語っても
その雄姿を思い馳せては胸踊る。
にもかかわらず、
話し終えても彼女はきょとんとしていた。
私が、この五壮士の中で、
何人知っているかと聞いたところ、
驚いたことに、彼女は誰一人知らない、
ということであった。
そこで私は続けざまに、
張自忠、高志航、趙登禹などの
国民革命軍(国民党系の軍隊)の
抗日戦争の英雄の話をした。
しかし・・・彼女は、
これらの国民革命軍の英雄さえ一人も知らなかった。
私は実際声が出なかった。
しばらくあ然としたが、その後、
「狼牙山五壮士は共産党軍の英雄だから、
台湾出身の君が知らなくてもいいが、
国民革命軍の英雄を知らないというのは
どういうこと?」
私は、率直な疑問をぶつけた。
しかし、彼女はなぜか戸惑うばかりのようだった。
そんな彼女に、私は誇らしげに言った。
「民族の独立や尊厳のために、
われわれは必要な場合は
流血さえも恐れずに全力投球する。
台湾が独立するかどうかに関わらず、
あなた方が本当に台湾の独立を思うのであれば、
勇気や生命を投げ出して
自分たちの理念を守り通すべきだ」
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