第263回
「投資」先行の中国消費市場はむしろ今から攻略
今まで、現在の中国は相対的な
「消費(社会消費財小売総額)」低調、
「投資(固定資産投資総額)」過剰の傾向があるのであって、
今後もしばらく、
少なくとも2007年から北京オリンピックにかけて、
そうした傾向が継続することを強調してきましたが、
では、現在の中国が
消費市場として魅力がないかというと、
いろいろな側面から考えて、
もちろんそんなことはありません。
まず第一に、
中国経済が現在の軌道で、
大きな問題なく、順調に推移すれば、
必ず、消費が経済成長をけん引する
成熟した経済構造を構築することは
分かりきっていますので、
それに対して、
今ぐらいから準備しなければ、
手遅れである、ということはいえます。
よく言われるように、
一部の例外を除き、欧米に比べれば、
日系の中国進出は完全に後手後手に回っています。
これには、組織のあり方、リスクの考え方など、
会社経営の根本的な問題とも絡んでくるようですが、
欧米の大手メーカーなどは
早いところでは80年代から中国に進出、
すでに中国で地歩を固めているものが
多数なのに比べて、
日系では大部分が乗り遅れていると
いわざるを得ないのが現状です。
こうした状況で、
中国の「消費」が本物になった時、
どちらか有利かは分かりきっています。
また、現在でも、
中国ではお金を持っている人は持っている、
というのは間違いないですし、
それをターゲットとすることも、
場合によっては十分可能であるという側面もあります。
そうした切り口から、最初に指摘した、
中国の「消費」が本物になった時の準備を進めるというのが、
非常に現実的な考え方でしょう。
職業上、
中国進出の日系ビジネスマンの苦労話をよく耳にします。
ただ、非常に前向きに行っている人もおり、
そうした人の、現段階における地道な活動が、
中国の「消費」が本物になった時に、
決して欧米にも負けることのない、
大きな成果として返ってくるのではないかとの思いを
毎回強くします。
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