| 第246回2005年は8.5%成長、04年の13.65兆元から14.81兆元に
 2005年の経済成長率は実質で8.5%程度になるとの予測がすでに一般的です。
 ただ、これは、先日、
 実質9.5%という04年の経済成長率が発表されましたが、
 それ以前の一般的予測です。
 中国でも四半期(3ヶ月)ごとにGDPデータが発表されていますが、
 04年の1−3月、4−6月、7−9月などの数値を
 参考として考えれば、
 04年通年の9.5%という数字は
 予想以上に高いものでした。
 中国における最高の統計部門は国家統計局で、主な経済指標も国家統計局が発表しますが、
 実質9.5%という04年の経済成長率が発表される以前、
 マクロ経済行政をつかさどる
 国家発展・改革委員会(国家発改委)では、
 04年の経済成長は
 9.3%程度と見積もっていました。
 そのため、05年の経済成長予測も、若干上方修正される可能性があります。
 あるいは、前回お話したように、
 04年の経済成長に修正が入る場合も考えられますが、
 04年の経済成長が9.5%で、
 05年の予測が8.5%であると、
 その落差は実に1ポイントとなりますので、
 かなり大きくなってしまうといわざるをえません。
 成長率の話ばかりしていると、どうしても、現実と乖離しがちです。
 実数でいえば、中国のGDP(国内総生産)額は、
 02年に初めて10兆元の大台に乗ったのですが、
 03年は11兆7252億元であったのに対して、
 04年は13兆6515億元でした。
 04年の一年間で2兆元近く、
 つまり日本円にして
 約26兆円も増えたことになります。
 2兆元といっても、やはりなかなかぴんときませんが、
 無理に比較しようとすれば、
 中国の年間の税収が2.5兆−2.6兆元とされています。
 05年の経済成長を8.5%とすると、単純計算で、05年の中国のGDP額は
 14.81兆元程度になります。
 04年と比べて成長率ベースでは成長が鈍化しても、
 05年も実額ベースで
 1兆元程度のGDP規模拡大が実現しそうです。
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