| 第244回信用できない中国の統計システムの実態
 中国の統計データはいまいち信用されていません。これは主に国外からの指摘ですが、
 中国国内でも、そうした意見が出ることも
 珍しくなくなってきています。
 たとえば、2004年が終わって1カ月も経たないうちに、
 速報値ならともかく、
 2004年の経済指標が出揃う、というのは、
 日本を含めて諸外国では考えられません。
 「統計システムがしっかりしているからこそ、迅速に発表できる」というのが、
 中国の実情にそぐわないことはいうまでもありません。
 中国の統計システムについては、
 今まで、中央と地方が別々に、
 さらに各地方ごとに、
 ある意味では勝手に発表してきましたが、
 この制度改革が
 ようやく2005年に行われることが決まりました。
 余談ですが、現在まで、中国の中央が発表した数値と
 各地方の発表を積み上げた数値の大きさは、
 経済成長率で
 4ポイント前後のもの開きがあるといわれています。
 たとえば、中央政府が経済成長は9%だと発表しても、
 各地方がそれぞれに発表した
 経済成長の合計を算出してみると、
 地方の集計としての全体の経済成長は
 13%になってしまった、ということです。
 その他の指標は
 さらに大きな格差があるともされています。
 この原因としては、一般的に、地方による水増しの問題が深刻なためとされています。
 ただ、それらはあくまでも中央からの報道によるもので、
 そのために、地方が悪い、ということになりますが、
 地方には地方の言い分があるでしょうし、
 中央にも改善すべき点はたくさんあるでしょう。
 こうした中央と地方、各地方ごとの統計データのあまりの不整合さに、
 温家宝首相が激怒、
 自らが統計部門に早急な改正を指示したというニュースが
 04年後半に伝えられていました。
 2005年は統計改革の年になるかもしれません。
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