第218回
レノボの「走出去」、失敗許されない社運かけた賭け

海爾(ハイアール)は中国を代表する、
いわば世界的な企業といえるでしょう。
日本では、残念ながらそれほど浸透していませんが、
世界的にもその知名度は抜群です。
当然、中国での評価は高く、
中国最大のブランドといっても
過言ではないかもしれません。

ハイアールの戦略は、
後付けかもしれませんが、比較的明確です。
中国国内市場を固めつつ、
海外市場も同時に積極的に開拓、
その成果を中国国内市場に持ち帰りつつ、
さらに海外市場の開拓の準備を進める、
というものです。

海外で実績を積んで
中国で「錦を飾る」わけですが、
これは、意外と効果的です。
日本でもそうした傾向がまったくないわけではなく、
一部ではむしろ根強いと思われるところもあるので、
理解しやすいかもしれません。
ハイアールの中国国内における確固とした地位は、
そうして築き上げたものだという側面が多分にあります。

「走出去」という言葉が
中国でよく使われるようになりました。
中国語では、「走」は「走る」ではなく、
「歩く」という意味ですが、この場合は、
「走出去」で有力企業による
海外進出ほどの意味になります。

実は、ハイアールといえども、
いずれの海外進出でも
成功しているわけではありません。
時には大きな失敗をしたことが、
新聞などで報じられることがあります。
もちろんそうした失敗でも、
致命的なものではないために、
今も有力な企業グループとして
存在しているわけですが、
ただし、今の中国では、そうした失敗でさえ、
「勲章」として取り扱われる傾向さえあります。
ハイアールの大きな財産になっているわけです。

聯想(レノボ、0992)も、
「走出去」しなければならない時に
差し掛かっていました。
そのためのIBMのPC事業買収であったかもしれません。
ただし、買収規模から考えても、
これは決して失敗の許されない、
社運をかけた賭けでもあります。
その分だけ、聯想も慎重であることは
間違いありません。

こうした聯想の「走出去」戦略の構想は
もしかしたら2年前まで
さかのぼるかもしれません。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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2004年12月27日(月)

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