第165回
ファンドに注力、国有四大銀の資金が本土市場に
QFII(指定国内機関投資家)の拡大、
保険会社の株式直接投資の解禁のほか、
中国本土市場に関する最近の主な動きとしては、
投資信託の管理の厳格化及び
商業銀行のファンド業参入解禁があります。
9月23日、中国証券監督管理委員会(CSRC、証監会)が
投資信託の管理を厳格化していく方針を
打ち出しました。
中国でも各種ファンドが設定され、
一定規模程度に成長してきていましたが、
関連の法整備に遅れが目立っていました。
今回の方針は、そうした課題の是正にあります。
ファンドが大きくならなければ、
証券市場も活性化しません。
中国政府も、証券市場の活性化のため、
ファンド業の育成を重点的に進めていく
方針を以前から明らかにしていました。
今回のCSRCからの発表によって、それが一歩具現化、
A株含めた中国本土市場に好影響をもたらすとして、
9月23日当日の相場は敏感に反応して、
中国本土の主要指数で2−3%上げました。
実はこの投資信託の管理厳格化は、
商業銀行のファンド業参入解禁を
にらんだものとの見方があります。
中国人民銀行が9月15日、
国有四大銀行を含む商業銀行による
投資信託管理会社の設立を認めていく方針を
発表していました。
9月21日には、国有四大行の一つである
建設銀行がこれに応じて、
ファンド業参入に対して意欲をみせました。
工商銀行や農業銀行など、
そのほかの国有四大行も
ファンド業進出を検討中といわれています。
中国の銀行資産の70%を押さえている
といわれている国有四大銀行が、
それぞれ投資信託管理会社を設立、
それぞれ各種ファンドを設定すれば、
莫大な資金が
証券市場に流れ込むことになります。
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