第154回
初の全体上場企業・TCL集団の携帯事業分割とは
中国国内の上場企業が
海外市場に分割上場するための
7つの条件が発表され、
この遵守が義務付けられるようになりました。
前々から海外における分割上場を
検討していた企業にとっては、
計画修正を迫られるものも少なくありません。
そうした中で、比較的計画通り、
順調に分割上場の準備を進めているものに
TCL集団(000100)があります。
傘下の移動体通信機器事業をスピンオフ、
香港に上場させる予定です。
TCL集団は中国で初めてといえる、
グループ全体の株式上場させた
初めての企業といえます。
通常、中国では、グループの資産構成や、
それら個別の資産の優良と不良がはっきりしており、
グループ全体で株式上場を図るのは
難しいとされています。
そのため、今、中国や香港で上場している、
特に大型の上場企業は、親会社があって、
そこから優良資産を選別して分社化、
その会社を上場させるという手段をとっています。
そのため、親会社には不良資産ばかり残り、
それがそれでまた
新たな問題を引き起こすことになるわけですが、
そうしたこともあって、
中国では、政府自体がグループ全体の一括上場を
奨励する風潮が起きています。
現在、準備を進めているのが、
中国鉄鋼最大手の宝鋼集団です。
宝鋼集団には、宝山鋼鉄という上場会社があって、
中国本土の上海A株に上場しています。
宝山鋼鉄の親会社が宝鋼集団になるわけです。
そのため、宝鋼集団と宝山鋼鉄は
一体でもあり、別会社でもある、
というわけの分からないことになっているのですが、
2008−2010年を目処に、これを統合、
グループ全体での上場を目指しているようです。
TCL集団は、もともと深センA株に上場していた
TCL通訊と交代するように上場を実現、
全体上場を実現させました。
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