| 第91回一時は中国の貿易の4分の1を担った華潤集団も・・・
 レッドチップの中には新四大レッドチップといわれる
 企業グループをはじめ、
 多くの企業グループが乱立しています。
 その中で、現在もますます企業活動が
 活発になっているものの一つに
 華潤集団があります。
 華潤集団は、中国株はもちろん、
 中国の社会や経済に
 幅広く根を張りおろしています。
 招商銀行があるとはいえ、
 インフラなどの裏方に徹することの多い
 招商局集団とは対照的に、
 消費者の身近なところにも、
 普通に登場してくる大企業グループ、
 それが華潤集団といえます。
 華潤集団の前身は1938年に香港で設立されました。香港聯合行(Liow&Co.)とよばれた貿易商社です。
 実はこの香港聯合行について、
 あまり情報がなく、
 詳細なことは分かっていませんが、
 1948年に社名を変更して
 「華潤」という名称を用いるようになります。
 「中華の大地を雨露が潤す」という意味があるようです。
 ここまで、中華人民共和国成立前の話ですが、特に成立後、華潤集団は中国−香港−海外という
 貿易業務を展開することになります。
 この関係上、中国当局の貿易部門との関係が
 強化されたようです。
 1950年代から60年代にかけて、
 一時期、中国−香港−海外という
 双方向の貿易業務によって、
 華潤集団は中国の対外貿易の
 4分の1を牛耳ったともいわれています。
 しかし、1978年になって、ケ小平氏が復権、改革開放路線が確定すると、
 今まで中国−香港−海外の貿易業務を
 独占してきた華潤集団の地位が怪しいものになります。
 改革開放が進めば、貿易も活発になり、
 華潤集団の業容も拡大してもよさそうなのですが、
 貿易ライセンスの自由化が進み、
 もはや香港を通じた貿易を独占しえなくなって、
 激しい競争にさらされることになったのです。
 長い間の独占状態に、競争に対する免疫力が欠けていたことも
 大きな痛手となったようです。
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