第89回
招商局国際の最新動向、資本参加に分割上場も視野
招商局国際(チャイナマーチャンツ、0144)
が発表した決算によれば、
2003年12月期の売上高は前年比22.76%増、
純利益は同66.08%増となっています。
中央政府が貿易過熱を懸念するあまり、
業務見直しを指示するほど、
深センの主要三港である
蛇口、赤湾、塩田は貿易が活発です。
招商局国際は、この深セン港の
多くの権益を抑えていることが
大きな強みとなっています。
また、招商局国際は、
深センばかりでなく、
上海、青島、天津、寧波にも
事業を展開しており、
いわば中国の五大港を
手中に収めていることになります。
港湾インフラの覇者といった趣がありますが、
それも130年を超える歴史ある
招商局集団の実力の一端でしょう。
最新の動きでは、04年4月、
東北アジア海上輸送ハブを目指す
大連港の運営を行なう
大連港集団が上場を準備していますが、
招商局国際では、
この大連港集団の上場に際して、
同社への資本参加を検討しているようです。
さらに興味深いのは、
以前、お話させていただいた、
招商局集団と強い結びつきを築いている
中国遠洋運輸(集団)総公司(中遠集団・COSCO)
の香港の上場フラグシップである
中遠太平洋(コスコパシフィック、1199)も、
この大連港集団への資本参加を
検討しているということです。
招商局集団と中遠集団の
新たな強力タッグが実現するかもしれません。
さらに04年6月、招商局集団は、
傘下の有料道路事業と
タンカー事業をスピンオフ、
上場させる計画を明らかにしています。
優良資産の分割上場は
巨大グループの常套手段ともいえますが、
これが実現すれば、大きな収益となります。
この分割上場について、
同社では年内の実現を目指すとしています。
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