第86回
中遠集団(COSCO)との提携で海運・コンテナに注力
深セン赤湾港航(チーワンワーフ、200022)に
代表されるように、
招商局集団は
海運やコンテナ方面にも力を入れています。
招商局集団は近代において、
日本への海運商用航路を
開拓(1873年)したことからも分かるように、
もともと海運とは馴染み深かったのですが、
現在において、
その傾向を加速させたのは、
比較的最近のことです。
1989年、招商局集団は
中国遠洋運輸(集団)総公司、
いわゆる中遠集団(COSCO)と提携します。
提携当時、正確には中遠集団は再編前でした。
再編を通じて、現在の中遠集団が確立するのは
1992年のことです。
中遠集団は、
「COSCO」ブランドでも有名なように、
中国最大の海運業者です。
実は、中遠集団も
交通部直属の企業として発足しました。
交通部という枠組みの中で、
もともと招商局集団と共通するものが
あったというべきでしょう。
もちろん、中遠集団は、
中華人民共和国設立以後に組織されたものです。
その点、背景的にはすっきりしており、
招商局集団のような複雑さはありません。
中遠集団も
傘下に多数の上場企業を抱えています。
最も有名なのは
中遠太平洋(コスコパシフィック、1199)で、
この銘柄はハンセン指数構成銘柄にも指定されるなど、
香港市場を代表する銘柄にもなっています。
中遠太平洋の直接の親会社は
中遠(香港)集団有限公司です。
中遠集団の香港事業を担う
旗艦企業の一つとして設立されたものです。
香港でも積極的に事業を展開する招商局集団とは、
ここでも接点が見出せるわけです。
ともかく、
招商局集団と中遠集団という
巨大グループ同士の提携が実現しました。
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