| 第71回広東電力−若干控えめな増収増益は何を意味するか
 広東電力(200539)が発表した2003年の決算発表によれば、
 2003年の売上高は前年比7.28%増、
 最終利益は同5.48%増でした。
 増収増益で、安定成長、
 というのが通常の見方でしょうか?
 ただし、中国全土でも9%以上、
 広東省の経済成長は
 ゆうに二桁を超えるほどの勢いを見せています。
 さらに、
 広東省の電力ニーズは
 前年比で20%近くの成長を見せていることを考えると、
 今回の広東電力の増収増益は、
 若干控えめの数字と思えてきます。
 広東電力の発電量や送電量自体は順調に伸びています。
 広東省の電力ニーズには追いつかないまでも、
 それぞれ二桁成長を実現しています。
 増収増益が低い幅で抑えられているのは、
 発電コストや電力価格の調整に
 左右されたためのようです。
 ただし、私個人は、これらの要素は広東電力の魅力を
 損なうものではないと考えています。
 中国は電力不足で、
 「電力は作れば売れる」時期ではありますが、
 それと同調、
 あるいはそれを越すような過剰な成長は、
 その急成長後のリバンドを考えると
 危険のような気がします。
 電力ニーズが伸長の一途といって、
 それに合わせて、
 設備投資などを続けていえば、
 経営に無理が生じるのは必定です。
 その点、広東電力の安定成長は好感が持てます。
 B株のリスクの大きさを考えれば、
 何よりも経営が安定していることが
 求められるからです。
 ただし、04年第1四半期(1−4月)の決算では、
 売上高が同46.27%増、
 純利益が同41.48%増と急成長しています。
 通年を通して
 このペースが維持されるとは思えませんが、
 成り行きは是非見守りたいところです。
 ちなみに広東電力は、03年末のEPSは0.472元、
 株価は4月末時点で5.62香港ドル、
 PERは為替換算しても
 12倍程度になります。
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