第70回
B株の広東電力と「西電東送」プロジェクト
広東電力(200539)は
日本のB株投資において、
最も人気の高い銘柄一つです。
一番人気は万科企業(200002)のようですが、
それに次ぐ銘柄と考えて間違いないでしょう。
私個人として、
B株はまだまだ政策的に不透明ですので、
あまりお薦めできないと考えておりますが、
日本で人気の高いB株銘柄ということから、
広東電力はある程度有望である
ということができるのではないでしょうか。
広東電力は、
経済成長著しく、
かつ「電力独立王国」の広東省で
最大規模の電力会社です。
広東省全体の発電量の
10%前後のシェアを持っています。
傘下に沙角A電廠や
湛江電力有限公司、
広東粤嘉電力有限公司などの
発電所や発電企業があり、
予算管理、コスト削減強化などを通して
収益状況は極めて安定しています。
広東省は珠江デルタを抱え、
急速な経済成長を続けています。
そのため、電力ニーズも急成長を遂げています。
広東省内では自省の電力を
すべてまかないきれない状況になっており、
そこで考えられているのが、
三峡ダムによる水力発電などで発電された電力を、
やはり電力不足で悩む
上海を中心とした東部地域に送電すると同時に、
広東省を中心とした南部地域にも送電しようとする
プロジェクトです。
「西電東送(西の電気を東に輸送する)」
プロジェクトがそれです。
同省最大の電力会社である広東電力が、
このプロジェクトで
何らかの権益を獲得することは間違いなく、
また、広東電力にとって、
あまりにも急伸する電力ニーズは
過剰な設備投資に走りやすい環境を創出してしまう
という危険性もはらんでおり、
このプロジェクトが順調に稼動することによる、
広東省におけるある一定の電力不足解消は、
経営の安定という意味では
プラスに働くことになります。
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