第36回
当局「B株の閉鎖や統合を視野に研究」報道の余波
先日、英フィナンシャル・タイムズは、
中国の証券当局が
B株の閉鎖や統合を視野に
研究と検討を行っていると報じました。
この報道では、関係筋の発言として、
「我々はいつ閉鎖するかは決めておらず、
この問題は非常に複雑で、
市場の閉鎖によってもたらされる
マイナスイメージを
最小限に抑えなければならない」
「B株を別の市場と合併させることも
一つの方法であるが、
それは可能性の一つに過ぎない」
などを引用していました。
これに対して、
証券当局の中国証券監督管理委員会(CSRC、証監会)は
3月24日、全面的に否定しています。
CSRCにとって、B株閉鎖という
非常にショッキングな話題が
相場に与える影響を憂慮したのでしょう。
証券時報など、政府系の金融紙では、
このCSRCの否定を援護する動きを見せていますが、
非政府系メディアでは、
比較的冷めた見方をしているようです。
「今回、当局は報道を否定したが、
金融分野における市場開放が加速していく中で、
B株市場の存在意義は失われつつあり、
B株の閉鎖はともかく、
A株とB株の統合に対しては
何らかの研究を進めている可能性がある」
「A株とB株の統合は
いくつかのテクニカル的な問題のみであり、
これらがクリアされれば実現する。
その場合、A株とB株の株価格差を考えれば、
B株は現在こそ投資チャンスであり、
保有しておくべき」
などです。
この一連の騒動、
いくつかの点で見るべきものがあります。
まず、英フィナンシャル・タイムズの報道で
引用された関係筋の発言では、
「B株を別の市場と合併させる」
としていますが、
それが必ずしも「A株」とは言っていない点。
この報道自体の信憑性の問題もありますが、
火のないところに煙は立たず、
何らかの意味が込められているはずです。
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