第34回
企業努力、ケーススタディとしての重慶鋼鉄

馬鞍山鋼鉄(0323)とならんで、
H株を代表する鉄鋼銘柄として、
重慶鋼鉄(1053)というのがあります。
今年3月11日に2003年本決算発表を行っています。

それによれば、
売上高は前年比34.12%増、
最終利益は同241.55%増を達成しています。
これで4年連続の増収増益となりますが、
やはり、今回の利益の伸び幅は群を抜いています。

この増益の要因として、
重慶鋼鉄自身は、
以下の通り挙げています。

1.鉄鋼原材料価格が上昇したが、
  原材料供給メーカーを組織化、
  効率よく、しかもコストを削減しながら
  原材料供給を確保できたこと

2.販売戦略上、
  マーケティングを強化して、
  既存の大手顧客に対する配慮はもちろん、
  時として商品価格の調整を行い、
  市場のニーズに合わせた
  商品供給を強化したこと

3.製品の品質改善に努めたこと
  特に、増産によって、
  供給量が増えた原材料に対する
  品質チェックのシステムを構築できたこと

4.新製品の開発に力を入れたこと
  前年を大きく上回る研究開発費を投入、
  新たな市場開拓を余念なく
  進めることができたこと

これを信用し、
すべて丸め込んで理解すれば、
事業の川上から川下まで、
すべて改善あるいは強化できたことになります。

自社発表によるものですので、
何から何まで成功したような書き方をするのは
ある意味で当たり前のことですので、
少し差し引いて検討する必要は当然ありますが、
純利ベースで前年と比べて
実に3.5倍もの成長を遂げた秘訣は、
確かにこのあたりにあることは
間違いありません。

高度成長期の中国ですが、
1999年本決算では赤字を計上した重慶鋼鉄、
それがここまで復活したのは、
やはり企業努力によるものが大きいといえます。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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