新入生、荒木尊史さんのQさん経営学実践奮闘記

第84回
緑の帽子はご法度!

8月20日に北京イトーヨーカ堂のアジア村店の中に
“Q's CAFE&ロアモンド”がオープンしました。
ケーキやコーヒーは従来のQ's CAFEと
全く同じ製品を販売していますが、
パンに関しましては
“ロアモンド”という新しいブランドを企画し、
より中国人のお客様の嗜好にあわせた商品開発を
モットーにしています。

今回のオープンも最後は徹夜続きの
バタバタなオープンとなってしまい、
イトーヨーカ堂の担当者様をはじめ、
関係者の方にはご心配とご迷惑をお掛けしてしまいましたが、
早くも焼釜がフル稼働になっており、
熱々のパンを毎日焼き上げています。

この“Q's CAFE&ロアモンド”の店舗は
北京にある日本人が経営する設計会社に
デザインと内装工事の管理監督をお願いして作り上げました。
日本人デザイナーの方のコンセプトは
“自然と和のテイストの融合”であり、
お店の壁も佐官職人による塗り壁を採用するなど、
和風テイストと緑や木材の色合いなど
淡い自然色でまとまりました。

当然、従来のQ's CAFEとは配色が全く異なりますので、
新しいお店に合う制服を新調することにしました。
新しい制服は私が日本のカタログを参考にしながら、
黄色と緑を基調としたカラーで、
ダブルボタンのシャツは薄い黄色で、
ベレー帽と前掛けエプロンは自然をイメージした緑であわせ、
周りの人達の意見も聞きながら微調整し、
オープンの3日前に仕上がってきたのでした。

中国人幹部が仕立屋から
慌しく30人分の制服を持って会社に戻ってきたので、
私は早速試着を男性スタッフと女性スタッフに指示しました。
その時です。
ある女性スタッフが腹を抱えながら笑い転げ出しました。
何事かとゾロゾロとスタッフが集まってきたのですが、
女性スタッフの説明を聞いて新しい制服を目にした途端、
同じように大きな笑い声が起こりました。
訳がわからない私に、その女性スタッフが説明してくれました。

「中国では、緑の帽子は女性が浮気をして、
旦那に謝る時に送るものです」と。
「なに!!!もっと早く教えてくれよ!」と、
この制服のデザインを知っていた
中国人スタッフ達に詰め寄りましたが、
「私も忘れていました。
緑の帽子は明の時代にできた習慣で、
今でもあえて被りはしないけど、
別におかしいとも思わないですよ」とのことで、
いまどきのレストランでは緑色の帽子も珍しくないので、
大丈夫だという意見を多くもらい、ひと安心しました。

中国には色々な面白い習慣や、ご法度も数多くありますので、
注意しなければいけないですね。


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2007年9月8日(土)

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