新入生、荒木尊史さんのQさん経営学実践奮闘記

第68回
北京大手パン屋社長へのインタビュー

2005年以降、北京では、
外資系のパン・ケーキ屋の出店ラッシュです。
最近では新しくできた台湾系の三越のなかに、
あの有名なフランスのフォーションが
本店に次ぐ規模で出店をし、話題をさらっています。
このように外資系の
パン・ケーキ屋の出店攻勢が強まるなかでも、
足元を見据えて
一歩一歩着実に成長している会社の1つに
“味多美”という地場のチェーン店があります。

ライバルの“好利来”や“金風”といったパン屋が
国有企業の血を受け継ぎ、拡大しているなか、
この味多美はなんの後ろ盾もなく成長してきた
完全なる民間企業で、
すでに北京に50店舗以上を出店しています。
しかも、どの店もお客で一杯です。
(本当にすごい!)
一体どんな人が社長なのか?
是非、会ってみたいと思いました。

当社にはアポ取りが非常に上手いスタッフが1名おり、
今回も彼女に頼んでアポをとってもらいました。
味多美の事務所は社長個人の持ち物と思われる
マンションの一室でした。
3LDK約80uほどの部屋に
20名ほどのスタッフがひしめき合いながら仕事をしています。
社長室は一番奥にある一番小さな部屋でした。
資料やサンプルが所狭しと積まれています。
ライバル企業が立派なオフィスビルに事務所を構えるなか、
この社長からは無駄な経費は一切つかわない
というポリシーがビンビン伝わってきます。

社長は思っていたより若い方(三十半ば)で、
いかにも頭が切れそうな顔をしていました。
まずはお互いに自己紹介をして、
地場系パン屋、日系パン屋ということで、
何か協力ができないか考えていきましょうという話しになり、
その後は雑談になりました。
味多美が生まれたのは1996年で、
社長を含む3人による個人出資ではじまった小さな
パン・ケーキ屋だったそうです。
社長の発言のなかで、
今でも記憶に残っているのですが
“どんなに外国企業が中国に入ってこようと、
味多美は負けないよ。
だって、外国企業は外国の味しか持ってこれないけど、
我々は中国人の味覚を知り尽くしている。
だから外国の味を中国人に合う味に変えることができるんだ。
この違いは大きいと思うよ”
と大体このような意味のことを長い間力説していました。

味多美の社長と面会したのは2年前ですが、
今になって
彼が言った言葉が呪縛のように私にのしかかっています。
正に、Q’CAFEはこの壁を乗り越えるべく、
挑戦を続けているのですから、、、


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2007年8月2日(木)

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