新入生、荒木尊史さんのQさん経営学実践奮闘記

第51回
中国企業の社内派閥の仕組みとは

中国では“誰につくのか”という
ある種の社内派閥に関する考え方が、
日本のそれに比べてかなり身近なものとなっています。
例えば「彼は誰派なの?」と尋ねると、
大部分の社員が「ああ、彼はH君派ですよ」
と普通に答えを返してきます。

100名にも満たない組織で派閥?!と思いますが、
中国で生きていく為には必要な手段なのかもしれません。
それゆえ派閥のリーダーは
トコトン派閥内の人間を可愛がります。
しかし、派閥外の人間に対しては
うって変わって警戒感を前面に出した
付き合い方をしているケースも少なくありません。
企業にとって、派閥など“百害あって一利なし”なので
無くしてしまいたいのは山々なのですが、
前述の通り、ある種の文化なので
やめろと言って無くなるものでもありません。

一般に社員が属する派閥のリーダーは、
直属の部署長であることが多いのですが、
時にはそりが合わないのか、
または自身の部署長の能力を見限って、
他の優秀な部署長の傘下に入る方が得策と考えたのか、
理由はさまざまなのでしょうが
他の部署長の派閥に落ち着くケースが見られます。

この“派閥”というもの、
私の知る限りでは
かなり複雑な構造と考え方を持っていますので
一概には言えないのですが、
ある人が“ほされる(失脚に追い込まれる)”時は、
非常に短期間で事が進みます。
なぜなら他の派閥も一致団結して、
“ほされる派閥”のリーダーを追い込むからです。
そのリーダーがいかに会社にとって不利益なのか、
いかに問題を抱えているのか、
今まで一つも私の耳に入らなかったことが
不思議なくらいドッと情報が提供されるのです。
もちろん証拠なんてありません。
嘘か本当なのか、確認のしようが無い場合がほとんどです。
しかし、この段階までいってしまったら、
“ほされる派閥”のリーダーの挽回は
非常に厳しいものになります。

次回は、ある派閥のリーダーであった
S君の例を述べたいと思います。


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2007年6月23日(土)

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