新入生、荒木尊史さんのQさん経営学実践奮闘記

第50回
隣の芝は青くみえます

最近思うことがあります。
その思いを他の日本人経営者に尋ねたところ
「私もそう思う」と多くの同感?をもらいました。
それは
“中国で商売をするより、
素直に日本で商売をする方が上手くいくんじゃないか!?”
ということです。
もちろん、一概に何が難しくて何が易しい何てことはありません。
私が言いたいことは、
一部の方が“中国は経済発展が凄まじいし、
外貨準備高もすでに日本を超えている。
そんな所で商売やったら結構簡単に上手く行くんじゃないかな”
と思われていることに対する反論です。

ここ北京でも、多くの企業や個人、
特に夢と希望に溢れた若者達が一攫千金を夢見て
事業を起こしたり、またはその準備を行なっています。
色々な人がいますが、
中には話を聞けば聞くほど
恐ろしくなるようなプランを掲げている人も
少なからず見受けられます。
中国はバブルなんだから何をやっても当たる!
という超楽観主義の人や、
中国のあれは不味いから、
日本のあれを中国で売ったら絶対バカ売れするよ!
といった異文化を理解しようとせず、
真っ向から否定してしまう人々も大勢います。

しかし、実際に中国でビジネスをしている人の多くは、
数ヶ月に1回か数日に1回か、
個人差はあるかと思いますが
“うーん、日本でやる方が上手くいきそうだよなあ”
と弱気になる時があるはずです。
特に日本に一時帰国した時などは、その思いが強くなります。
なにしろ、中国は人は確かに多いのですが、
通りを歩いている人が全員顧客対象になり得る
という単純な考えは通用しません。
日本では重要な通行者量調査も、
所得格差の激しい中国では参考程度にしか使えないのです。
日本のように、大部分が中産階級であって、
顧客の対象になりうる環境を目の当たりにしてしまうと
羨ましくてしょうがない気持ちになったりします。

“隣の芝は青く見える”とはよく言ったものです。


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2007年6月21日(木)

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