第101回 生前贈与のための新相続税制−中級編
贈与土地の登録免許税・不動産取得税は高い
株や現預金の場合と異なり、
個人が所有している土地・建物を譲渡や贈与、
相続により別の人に移転した場合
(又は移転を受けた場合)に発生する税金は、
譲渡所得税・住民税や
贈与税・相続税ばかりではありません。
これら以外にも
所有権の移転登記時に発生する「登録免許税」や、
土地・建物を取得したという事実に対して課される
「不動産取得税」があることを忘れないで下さい。
これら2つの税金は、
原則として固定資産課税台帳に登録された価格
(「固定資産税評価額」といいます)に
一定の税率を乗じることで算定されますので、
譲渡損が発生して譲渡所得税・住民税が課されない場合や
課税価格が基礎控除額以下で
贈与税・相続税が課されない場合であっても課税されます。
また、その不動産の移転原因が譲渡なのか、
贈与なのか、相続なのか、によって税率は異なり、
場合によっては非課税ということもあります。
新制度を採用して財産を贈与した場合は、
移転原因は「贈与」ですので、
「相続」の場合とは課される税額が異なることに
注意する必要があります。
新制度を採用して土地の贈与を受けた場合と
土地を相続した場合とで
これらの税金にどれだけ差が出るのか、
説例でご説明します。
<説例>
1.前提 土地の固定資産税評価額 2,500万円
2.課される「登録免許税」及び「不動産取得税」
(1) 贈与のケース(新制度を採用したケース)
登録免許税…2,500万円×10/1,000(※1)=250,000円
不動産取得税…2,500万円×3%(※2)=750,000円
合計 1,000,000円
(2) 相続のケース
登録免許税…2,500万円×2/1,000(※1)=50,000円
不動産取得税…非課税
合計 50,000円
※1 平成15年4月1日から平成18年3月31日までの間の
登記申請分に限ります。
※2 平成15年4月1日から平成18年3月31日までの間の
取得分に限ります。
このように、新制度を採用して
土地・建物の生前贈与を受けた場合の
登録免許税及び不動産取得税は、
土地・建物を相続した場合に比べて
割高であることがご理解いただけると思います。
執筆:税理士法人山田&パートナーズ 税理士 山本武尊
監修:公認会計士 山田淳一郎
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