プロが教えます!公認会計士
山田淳一郎さんのトクする税金の話

第27回
タンス株券を「特定口座」に入れる場合の
「取得価額・取得日」の決定

自宅のタンスや金庫、
貸金庫にしまってある上場株式等(株券)を
「タンス株券」と呼びます。
タンス株券をそのまま売却した場合には、
自分で「取得価額」を把握し「売却損益」を計算し、
売却利益については確定申告し納税する必要があります。
全部の手続きを自分でやらなければなりません。

そこで、「平成15年4月から平成16年12月末まで」
という期限付きですが、
タンス株券を一定のルールのもと
「特定口座」に組み入れることができます。
タンス株券を特定口座(源泉徴収口座)に入れた後に
売却した場合には、証券会社がすべて代行してくれますので
売却利益に関する申告・納税の手続きは不要となります。

タンス株券を特定口座に入れる時のルール概要
タンス株券を「特定口座」に組み入れる際の、
その株式の「取得日」「取得価額」の決め方ルールの概要を
説明します。

1.証券会社が「取得日」と「取得価額」を確認した場合
  特定口座を開設している証券会社が、
  取引報告書などの書類等により
  そのタンス株券の「取得日」と
  「取得価額」をともに確認した場合には、
  その確認した「取得日」「取得価額」により
  特定口座に組み入れます。

2.証券会社が「取得日」だけを確認した場合
  タンス株券となっている当該株券の発行会社等が作成した書類で、
  取得者の氏名や取得日が記された書類が存在している場合には
  それにより「取得日」が確認できた場合には、
  その確認した「取得日の終値」により特定口座に組入れます。

  また、タンス株券となっている株券の株主名簿が
  平成15年3月末までに書換えられており、
  特定口座を開設している証券会社が
  その株券のコピー等によって「名義書換日」を確認した場合は、
  その「名義書換日を取得日」
  「名義書換日の終値を取得価額」として特定口座に組み入れます。

3.上記1、2以外の場合
  「取得日」「取得価額」ともに確認しない場合、
  または「取得価額」は確認したが
  「取得日」を確認しなかった場合には、
  「平成13年9月30日を取得日」
  「『平成13年10月1日の終値×80%』を取得価額」として
  特定口座に組み入れます。

なお、上記「1」「2」のケースにおいて必要な
「確認書類」等については、第28回で説明します。

執筆:TFPコンサルティンググループ(株)税理士 布施麻記子
監修:公認会計士 山田淳一郎


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