第25回
現在所有している株式を「特定口座」に移動―期間限定です
「特定口座(源泉徴収を選択)」内で
上場株式等を買付け保管して売却した場合には、
個人投資家自身が売却利益に関して
申告・納税する必要はありません
(平成15年について住民税納税は必要)。
これに対して、
現在「一般口座」に預けている上場株式等や
「タンス株券」を売却し利益が出た場合には、
自分で申告・納税を行う必要があります。
そこで個人投資家の利便性を考え、
これら株式を特定口座に組み入れ
その後に売却することができることになっています。
つまり組み入れ後に特定口座(源泉徴収口座)内で売却すると、
売却利益に関する申告・納税手続きは
証券会社が代行しますので
申告・納税手続きが不要になります。
ところで現在保有している上場株式等の
「特定口座」への組み入れ (移管)については、
移管できる時期が決まっており、
また、移管する際の
「その株式の取得日・取得価額」の決め方には
独特のルールが決まっています。
「特定口座」に上場株式等を組み入れることができる期間
1.「一般口座」にある上場株式等を
「特定口座」に移動(移管)できる期間は、
平成15年12月末までです。
2.家のタンスや金庫の中、貸金庫の中にある
上場株式等の株券(「タンス株券」と呼ばれています)を
「特定口座」に組み入れることができる期間は、
平成15年4月から平成16年12月末までです。
「特定口座」に組み入れる(移管する)株式の「取得価額」等は、
決められているルールにより決まる
「特定口座」に組み入れた上場株式等は、以後証券会社が
「取得日」「取得価額」を管理し、売却損益の計算、
そして税金計算(源泉徴収口座の場合)をします。
そのためには、特定口座内のすべての上場株式等の
「取得価額等」を明確にしておく必要があります。
特定口座内で購入した株式は、
証券会社が「取得価額等」を把握するのは簡単です。
が、昔「一般口座」で買付けそのまま預けている株式や、
ある証券会社の一般口座から
他の証券会社の一般口座に移動した株式も、
またタンス株券についても、
証券会社が「取得価額」を把握することは困難です。
そこで、「一般口座」の株式や
タンス株券を「特定口座」に組み入れる時の
「株式の取得日・取得価額の決め方ルール」が決められています。
このルールを知って、税金上不利にならないように対応する
(特定口座への組み入れ方等を工夫する)ことにより
税金面において得することがあります。
そのルールの一例を紹介します。
証券会社で買付け、その株式をそのまま直ちに
保護預り制度を利用し預け続けている上場株式等については、
その買付けた時期によって、
取得価額算定(決定)ルールが異なります。
即ち、平成5年1月1日以降に買付けた株式は、
実際のその買付け価額を「取得価額」とし、
平成4年12月31日以前に買付けた株式については原則として
「平成13年10月1日の終値の80%相当額」を「取得価額」とします。
詳細は、次回以降に説明いたします。
執筆:TFPコンサルティンググループ(株)税理士 布施麻記子
監修:公認会計士 山田淳一郎
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