第8回
投資信託にも手当て
「株式投資信託」は、
株式を運用の対象に含めている投資信託で
株式の組入比率や投資対象により様々な種類があり、
よく「〜ファンド」とか「〜オープン」
という名前が付いているものです。
さて、平成15年度税制改正の内容は以下のとおりです。
まず収益分配金に対する課税は、
上場株式の配当に対する課税と同じ仕組みに改正されました。
つまり従来、公募株式投資信託の収益分配金は
定期預金等の預金利子と同様に
収益分配金の20%が源泉徴収されて、課税は終わりでした。
これが変わって、平成16年1月〜平成20年3月に支払われる
収益分配金については上場株式の配当と同様に
10%(所得税・住民税合計)の源泉徴収で
完了することになりました(納税者の意思により
還付申告等の確定申告をすることも可能です)。
但し、平成20年4月以降については源泉徴収税率が20%
(所得税・住民税合計)に上がる予定です。
株式配当に対する源泉徴収税率が
平成15年4月から10%になるのに対して
投資信託収益分配金の源泉徴収税率が
10%になるのは平成16年からです。
もう一つの改正は償還損・解約損が
株式売却益と相殺できることになった点です。
従来は公募株式投資信託の償還損・解約損については
税金計算上その侭切り捨てられてしまい
他の利益(所得)と相殺するチャンスはありませんでした。
これに対して平成16年からは
公募株式投資信託の償還損・解約損を
同じ年の株の売却益と相殺して
(償還損・解約損については
「3年間の繰越控除」は適用できません)
税金計算することが認められるようになりました。
ですから含み損が生じている
公募株式投資信託を解約する場合には、
株式売却益があった年に解約して解約損を出す方が有利
(つまり株式売却益に対する税金が少し減るので助かる)
ですので、いつ解約するのが得かのソロバン勘定が必要です。
◆お詫びと訂正◆
第3回掲載分に一部正確ではない表現がございました。
第2段落目最後の行の
「一般の方でも最低でも20%の税負担でした。」の部分を
「一般の方でも20%の源泉税負担でした
(所得が低い方の場合には
還付申告により税負担ゼロとする道もありました)」
に訂正いたします。申し訳ございませんでした。
執筆:税理士 加藤友彦
監修:公認会計士 山田淳一郎
|