第87回
戦わずして勝つ その2
前回のつづき
舟が小島に着くや否や男は刀を抜いて舟を飛び降りました。
「さぁ来い!!」と男はやる気満々です。
ト伝は刀を置き、ゆっくり立ち上がり、船頭の所へ
歩みより竿を受け取りました。誰もがその竿を使って
小島の岸に飛ぶか思ったその途端!!
ト伝はその竿で岸を突いて舟を沖の方へと
離してしまいました。
小島に残された男も、舟中のみんなも
ポカーンと空いた口が塞がりません。
しばらくして我に返った男は
「こらー!!卑怯者!!返ってこい!!」と
叫びますが、ト伝は
「おぬしはそこで兵法についてしっかりと勉強しなさい」と
言い残し舟は小島からどんどん離れて行くのでした。
舟中のみんなも煩かったあの男がいなくなって
みんな大喜びでした。
これこそまさに「戦わずして勝つ」のお手本のようなお話です。
要は力で戦うのではなくて頭で戦うということですね。
戦争の本質をよく知っている
智将、名将と呼ばれるような人たちは、
武力戦を交えずに敵軍を屈伏させ、
攻撃を用いずして敵の城を攻略し、
戦争を長期化させずに敵国を打倒するのです。
必ず全きを以って天下を争う。
故に、兵頓れずして、利を全うすべし。
此れ謀攻の法なり。
天下は全てを以って争う、
なので兵を刃の血でぬらさずして
そのまま手に入れる事が望ましい。
それこそが謀攻戦略というものである。
以上の様に孫武は言われております。
兵法書と言っても、武力をもってどう戦うかではなく
いかに、利のあるように、無駄のないように
戦うかが記されています。
------三全公寓内イタリアレストラン------
今回はそのイル・ミリオーネの料理長
泊義人シェフをご紹介します。
大阪府出身、16歳で料理界に入り、
20歳からイタリア料理を開始。
26歳の時にイタリアに渡り、
北イタリアのピエモンテを中心に3年間学び、
29歳で東京汐留の「ベルベデーレ」副料理長に就任。
2004年から北京のイル・ミリオーネ料理長に就任。
メニュー、キッチンの設計、食器の選択など
全体にわたりプロデュース。
得意料理は、ピエモンテの名物でもある
ハトや仔ヤギなどの野獣食材を使ったジビエ。
現在は北京での雑誌,テレビの取材で大忙しの
泊さんです。
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