中国民俗研究家・上田尾一憲が語る、中国民俗の魅力

第23回
腹黒い人は・・・。

皆さん思い浮かべてください。
麒麟とは全身が鱗に覆われており姿は鹿、
蹄は馬、尻尾は牛、顔は狼で角が一本あり
全身は黄色で腹部は五色という昔の中国、
そして東アジアの国々で信じられていた
想像上の動物です。
今回は麒麟の画に自信があったのですが、
残念ながら鳳凰の画が不評でしたので画きません。
何も看ずに想像だけで画くとあのようになるのです。
想像力の豊な方の麒麟の画をお待ちしております。

麒麟で思い出すものといえば
夏も近づいてきた事ですし、
なんと言ったってビールでしょう。
皆さんもご存知のように
あのビールのロゴに使われているのが麒麟です。
あの顔をみると結構厳しそうな顔をしていますが
麒麟さんはなんと
この世にこれほど優しい方はいないと
言っていいほど優しい方なのです。

どれだけ優しいかというと、
麒麟さんは殺生が嫌いで、
歩いている時に
小さな虫を踏み殺してしまわないよう、
更には道端に生えている草も
踏みつけてしまわないように
といった理由で、宙に浮きながら歩いているのです。
そして、食べる草も
すべて枯れてしまった草を食い、
決して生の草を食べることはないのだそうです。

麒麟は、以前も紹介したように
毛をもつ獣類の毛虫360種の代表であり
四霊獣の一つなのです。
麒麟が現れるのも鳳凰とよく似ており
聖王が生まれたり、王が民衆の事を深く思い、
正しい政治を行い殺し合いのない平和な世の中になると
天界から降りてくると言われております。
鳳凰と同じで平和の象徴でもあるのです。
その徳の高さと優しさに、心の黒い罪深い人たちは
麒麟の姿を見ただけで死んでしまうという
言伝えも残っています。
あなたの目の前に麒麟が現れたらどうなりますか?


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