|  第570回潜伏感染
 O-リングテストをして、反応があるのに、実際の検査ではでてこないことが多々有ります。
 しかし、症状があるのですから、
 検査ででてこなくても身体の異常な状態というのは、
 存在しているわけです。
 ところが、検査で異常がないと、気分のせいとか、精神的なものだと決めつけたりします。
 症状と実際の検査のギャップをうめるものとして
 O-リングテストは非常に有用なのです。
 患者さんが訴える症状があると、
 ほとんどの場合オーリングテストでは異常な状態があります。
 そして、症状と異常な状態と一致することが多いのです。
 細菌やウイルスが顕在化して症状を出している時は、
 検査でもそれが確認できることが多いのですが、
 それが潜伏感染していると、
 今の検査ででてこないことがほとんどです。
 家族が書いた自閉症の人たちの記録の本を読んでいると、たまたま自閉症の人の成長していく写真がのっていました。
 一才ぐらいの時には言葉がでていたのに、
 その後に言葉がでなくなったという方の脳を調べていて、
 どうして最初言葉がでていたのに、出なくなったかというのを
 O-リングテストして調べると、
 一才の時には言語中枢に髄膜炎菌の潜伏感染がなかったのです。
 それと狂犬病ウイルスの反応もなかったのです。
 ところが4歳ぐらいの時には、すでに言語中枢に先の細菌やウイルスの反応があるのです。
 それが治療されていないので、
 そのままの状態が以後ずうっと続いて反応しているのです。
 そして、それが少しずつ大脳全体に広がっていき、
 高校生を終える頃には
 前頭葉前野、前頭葉眼窩回に広がっていっているのです。
 そのため、自分を自分で抑制できない状態が起っていて、
 何かのきっかけで脳が暴走する状態になっているのです。
 この状態では向精神薬を使用しないと暴走は止められないので、
 ついにそれを服用しています。
 そうすると脳全体が抑制されているために、
 無気力、無関心の状態が起っていると思われるのです。
 脳そのものは治っていないのです。
 細菌やウイルスの反応はそのままですから。
 これを見ていて、なんとかなるのに、という歯がゆさが残ります。
 少なくとも現状よりは改善する可能性は非常に大きいのです。
 向精神薬を併用しても、
 漢方薬で脳の細菌やウイルスは治療できますので、
 脳の状態を良くしていけば、
 向精神薬を減らすことも可能だと思うのです。
 このような治療を
 漢方薬で行っている人は少ないと思いますので、
 試行錯誤の所もあります。
 ここまで治ったら、今度はこうしようということで、
 徹底して脳を治療していくのです。
 予想以上に脳への潜伏感染というのは、多いものなのです。ですから治療できるのです。
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