第363回
パソコン音痴
パソコンを始めたのはもう15年前、
始めてMacを買って使い始めました。
なんのことない、
ほとんど使ったのはワープロだけみたいなものです。
全く右も左もわからない当時、
アイコンをクリックするだけで、
動き出すというのは、画期的でした。
Macを買うきっかけは、漢方の腕が上がらず、
もうちょっとなんとかならないかな? と考えていたとき、
ある患者さんが上下真っ黒の洋服を着て
憂鬱そうな顏をして来院しました。
あれこれと問診し
(その頃はОリングテストをしていませんでした)
真武湯という薬が効くだろうということで、
それを処方しました。
一週間後、その患者さんは晴れ晴れとした顔をして、
明るい色の洋服(その色は白地に紫の水玉模様の洋服)
を着てきました。
もうそれを見ただけで良くなっているのがわかりました。
患者さんも良くなりましたといいました。
その時、思ったのです。
色から漢方薬の処方が出せないかな? と。
患者さんが着ている洋服の色から処方がだせたら、
もう何も聞く事もなくスパッと処方が決ります。
または、色を選ばせて何色かの色の組み合せから
処方が決められないか、と。
真武湯というのは、黒を意味します。
それから、白虎湯というのもあり、これは白です。
小青竜湯は青です。
この小青竜湯がある患者さんで、
ものすごくよく効いたことがありました。
咳がでて数ヶ月も止まらない人が来て、
小青竜湯を投与したらピタッと止まったのです。
で、この患者さんは、自分の家に青色の壁、青色の食器、など
一部屋が全部青を使用した部屋を持っていたのです。
その頃パソコンで色を綺麗に表現できるし、
しかも音楽などの編集ができるのは、
Macだよと人から聞いたのです。
結果としてあれこれと一揃いそろえて、使っては見たものの、
何も使えずに終わりました。
使ったのはワープロとファイルメーカーに
漢方の教科書、傷寒論と金匱要略を自分で打ち込んで全部入れて、
検索に使っただけでした。
今も昔もパソコン音痴です。
ちょっとしたトラブルでなんでこうなるか? と
パソコンに怒ってみたりするけど、ラチがあきません。
そして、電気屋に行って、トラブルの原因を聞くと、
ひどく初歩的なことで、
非常に恥ずかしい思いをして帰ってきます。
つい最近もそういうことがあって、
あ!そうだよなと思ったものです。
わからない人にとっては、
ちょっとしたことに気付かないな、と。
患者さんに合う食べ物合わない食べ物を
聞かれることがよくあります。
患者さんによっては、あなたは大豆製品が駄目ですよ
と答えることがあります。
患者さんはその事を聞いて、
そのすぐ後に豆腐は食べてもいいでしょうか?
と聞く人がいるのです。
ありゃりゃ!この人何も分かってないや!
と思う事があるのですが、
これだって私のパソコン音痴と似たものと思えば
大した違いはないか、と最近は考えるようにしています。
また、あなたは電磁波に弱いので、
電気毛布などはいけませんよ、と言ったそばから、
電気カーペットは使ってもいいですか?
と聞かれたりすることがあります。
これもオンナジだ、と。
何を聞いたって別に恥ずかしい事ないんです。
どんどん聞いてください。
前置が長い文章でした。
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