医師・豊岡憲治さんの嘘のようなホントウの話

第283回
子供の不眠症?

小学生がここ一年以上も不眠で困っていました。
その他にアスペルガー症候群という診断もついているのです。
精神科に通院して、不眠がよくならないので、
どんどん薬が増加していくし、
親にしてみれば、こんなでいいのか? と思うでしょう。
一向に症状が改善しないし、
どうなっているのか不安も増すと思います。
主治医にしたって教科書通りの治療をしていて、
良くならないのですから、困惑するのではないでしょうか。

話しを聞いて見ると、
一年前の夏休みが終る頃から不眠が始ったし、
人格の変化も来したというのです。
それまでは思いやりもあり、乱暴な言葉なども発しないし、
暴力をふるう事もなかったというのです。
素直で良い子だったのに。
こういう急激な症状の変化というか、病的な状態が起ったのは、
必ず原因があるはずです。
脳に問題が発生しているのですから、
その原因として考えられるのは虫に刺されて、
たまたまその虫が持っていた細菌やウイルスが感染して
脳にまで達したことが考えられます。

聞いて見ると、その年の夏休みにキャンプに行き、
沢山虫に刺されて腫れ上がったといいます。
その事はお母さんも子供も記憶していました。
虫刺されは時間とともに治ったといい、
別にそれで問題が発生したとは思ってもいなかったのです。
検査で異常も指摘されないようなので、
虫刺されは問題にならなかったと思います。

あるきっかけがあり、私の所にきたのです。
診察してみると、
うつ状態と統合失調状態の混在した状態があるのです。
それは脳の尾状核、帯状回などに
細菌やウイルスの感染があって
そのため脳の働きが異常になっているのです。
その主役を占めていたのは、
虫刺されからはいる細菌やウイルスでした。
左右の大脳をつなぐ脳梁の働きにも問題があるので、
考え事をして、結論をだすのに時間がかかります。
手綱核や視床下核、視床中心正中核、延髄の睡眠中枢にも
ウイルスや細菌の感染があるので、
不眠や乱暴なことをしたり、
規則通りのことをしないと戸惑うというようなこともあるのです。
細菌の感染には桂枝加葛根湯、
ウイルスの感染には当帰芍薬散を一日分投与しました。

翌日来院し、初めて眠れるようになったといい、
しかも態度が全く変わって、
もともとの素直な子供の状態になっていたのです。
180度の変化といってもいいような変化なのです。
脳のうつ状態や統合失調状態の反応もなく、
細菌の反応もほとんどなく、
ウイルスの反応もすくなくなっていました。
今度は当帰芍薬散を二日分処方しました。

二日後に来て、眠る時間も増えてきたし、落ち着きもとりもどし、
一年ぶりにもとのいい状態になっていたのです。
アスペルガー症候群というのも
脳への細菌やウイルスの感染がもとになっている可能性が
大きいと思います。
そのきっかけがひょっとして
虫刺されだったなんてこともあると思います。

人格の変化にはこの他に、
思春期以降だとセックスによる感染が脳に達して
人格に問題が起る可能性があります。


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