| 第992回ワインの諸々104
 7種のセパージュのシャンパーニュを飲みました
 先日のコラムで取り上げた例のシャンパーニュ「オブリ社」、読者の方からの情報で購入することができました。
 この2年近く続いた「ワインの諸々」も今日が最後です。
 長い間有難うございました。
 最後を飾る題材かわかりませんが、
 購入したシャンパーニュ2種の感想をアップします。
 まずは「シャンパンハウスの実力を見るのは、ノンヴィンを飲め」
 と言われていますので、これからチャレンジ。
 ―ノンヴィンこれは従来品種である、
 ピノ ノワール、シャルドネ、ピノ ムニエ
 の3種だけで造られているそうです。
 グラスに注いでまず思ったのは、古酒かロゼみたいではないかと。
 色がかなり濃いのです。
 しかし飲んでみると
 酸味は多少感じますが味に深みはなく余韻もありません。
 グラスに放置していると直ぐにヘタッてしまいました。
 泡もすぐ抜けました。
 ノンヴィンとしてはいたって普通かそれ以下か。
 大手のメーカーのノンヴィンの方が
 まだよいモノにあたると考えます。
 後ろの説明書を読んで納得。
 ピノ ムニエが60%でシャルドネとノワールが20%づつとのこと。
 色が濃いのはムニエの影響でしょうか。
 昨年、ムニエ100%の
 あるドメーヌシャンパーニュのものを飲んだことがあるのですが、
 熟成感が年数よりでているように見えました。
 他のメーカーと違ったタイプにしたいから、
 ムニエを主体にしたのでしょうか。
 ―‘98 カンパナエ・ウエテレス・ウィテス日を変えて開けたのですが、
 7種のセパージュが入っていると言われなければ、
 まったくわかりません。
 ただのそこらの普通のヴィンテージシャンパーニュです。
 当初このメーカーのシャンパーニュは、
 7種、8種のセパージュをウリにしたとはいえ、
 濃縮感のある特徴あるシャンパーニュを造っていたそうですが、
 今ではまったくその面影が見られないとのコメントも
 読者の方からいただきました。
 要は、復活させたセパージュではなく造り手の意欲の問題なのか。わけのわからないセパージュをブレンドしているといっても、
 そのセパージュの特徴、単独の味わいを知らないわけですから
 さっぱりわかりません。
 手を抜いたと思われる98年のこのシャンパーニュ、
 少なくともセパージュの特徴を
 まったく感じるレベルの物ではありませんでした。
 メーカーも7種だ、8種だ、幻のセパージュだと煽るなら、
 まずは、それらのモノセパージュの
 シャンパーニュなりスティルを出すべきでしょう。
 そうでなければ、比較のしようがありません。
 日本だけではなく、フランスでも「能書き第一主義」の人はいるということです。
 また、能書きに弱いのは我々日本人だけではなく、
 フランス人にも多いといういうことでしょうか。
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