| 第989回料理もワインもCPいいんだけど、ラシェット・ブランシュ
 読者の方の推薦で訪問した、白金商店街近くの小さなフレンチ。最寄り駅は白金高輪駅です。
 店内は白壁にクリームのクロス、椅子カバーは黄色と明るく簡素。
 キャパ16名のオープンキッチンで、厨房は2名、
 あの名店といわれるコートドール出身のシェフということで、
 奇を衒ったものではなく
 基本に忠実なしっかりした料理と期待しての訪問でした。
 アラカルトは前菜が2千円前後、メインが4千円前後とこの立地にしてはかなり高めです。
 しかし食材は、小鴨、仔羊、牛頬肉、鳩、イベリコ豚、蝦夷鹿、
 と揃っており、ポーションも大きそう。
 コースは6800円で冷・温前菜、魚、肉と4皿で、
 アラカルトにあるスペシャリテも含まれていますから、
 初めての人にはコースがお勧めです。
 遅くの入店で売り切れがあり温前菜2皿となりましたが、
 結論から言わせていただくと、
 味も量も久々に満足したフレンチでありました。
 アミューズの後、ウリのムール貝白ワイン煮。想定の範囲内のレシピですが、パセリの風味も利いてまずまず。
 3種の茸と焼いたニョッキのフリカッセもおいしい。
 単品で頼んだ鴨フォアグラもよく、
 ヤガラは古典的なブールブランソースでしたが
 酸味もしっかりしていて悪くない。
 メインの小鳩もきっちり手をかけていて
 この価格では満足いくものでした。
 シャンパーニュはノンヴィンが7500円と安め、ブルゴーニュは有名造り手の村名ワインが1万円前後と良心的。
 ハーフボトルも
 白、赤共に7種も用意しているのはこの規模の店では珍しく、
 お酒をあまり飲まない人にも対応しています。
 量も充分、ワインもCPよく二人で3万円ほどでしたが、この店には致命的な欠陥がありました。
 皿出しがあまりに遅い。
 人件費を抑えているのはわかりますが、
 この規模にしては手間取りすぎ。
 ホールスタッフもかなり段取りが悪く、
 4時間近くの食事となってしまいました。
 <結論>ワインも料理も文句はないが、客を待たせすぎます。
 遅い時刻に入店したら12時を越えてしまうかも。
 3時間ほどで終了できれば申し分ない店であるだけに残念。
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