| 第977回揚げすぎで旨みがとんでいる、天麩羅 なかがわ 1
 過大評価され人気店になった天麩羅屋「みかわ」に17年も勤めたのが中川氏の悲劇でしょうか。
 いまさら師匠の揚げ方を修正することもできず、
 このままの路線で突っ走るしかないようです。
 山本益博氏はじめ自称文化人やグルメライター達からのヨイショで、
 自分は天才と勘違いした料理人・早乙女氏から独立、
 東銀座から徒歩5分の築地に一昨年店を出しました。
 昼は千円台の定食や天丼の他、
 4725円、6090円、7350円の夜と同じコースも出しています。
 定食とコースではまったく内容が異なります。
 タネが違うのは当たり前ですが、
 箸も異なりコースでは箸置きまででてくるのです。
 オロシも別途奥からでてきました。
 しかし、どうせコースを頼むならランチ時は避けてください。定食のタネと違って
 下の保冷庫から出してきて質はいくらか高くなるようですが、
 鍋は一つですから揚げ油は兼用です。
 色々なタネが同時に投入されて油の交換もありませんから、
 まったく良質のタネを使う環境ではないのです。
 早乙女氏が語っているタネ毎の温度管理など当然ありません。
 天丼用の掻き揚げから野菜、海老、アナゴなどが
 一緒に鍋に投入されることが考えられますから、
 数千円も出してコースを昼に食べる必要はありません。
 油は交換しないで注ぎ足すだけ。
 よって焦げ過ぎの天麩羅が更に焦げてタネの旨みがなくなります。
 実際昼にコースを頼みましたが、
 海老はフライかと思えるほど揚げすぎです。尻尾も兜も硬すぎ。
 キスも脱水しすぎなのかカサカサ、
 旨みを封じ込むどころか逃げ出しております。
 しいたけ、オクラ、ナス、メゴチも
 小さいものをよく選んだと感心するもので、もちろん焦げすぎです。
 掻き揚げは衣が多くもっとひどかった。
 唯一、アナゴがまずまずのもの。
 そのわけは、この店(「みかわ」も含めてですが)は、
 すべてのタネをアナゴと同じように強く揚げる
 ワンパターンだからです。
 <明日につづく> |