| 第963回味がわからない業界人向け、アザブハウス 1
 昨年1月オープンし、業界人の宣伝で有名になった「AZABU HAUS」。
 麻布十番裏路地のコンドミニアム風建屋の1階にあります。
 イタリアンダイニング&バーとのことですが、ウリは23時間営業。
 清掃の1時間を除いて丸一日営業していることが珍しく、
 たちまち有名になりました。
 早朝でも、夕方でも、深夜でもやっている。
 不規則な生活をされている方には、
 ホントに使い勝手がよいといえますが、
 普通の生活習慣の客にはどんなものでしょうか。
 いつ行っても、自分が行きたいときに店がオープンしているだけで、
 CP悪く、バイト風のスタッフが造る
 素人に毛が生えた程度の料理で満足するものなのか。
 普通の営業時間でもっと食後感のよい店があったとしたら、
 この店の存在価値はなんのか。
 24時間営業のファミレスも結構あります。
 煽りまくっている「業界人」の飲食店に対する考えに
 おおいに疑問を持ってしまうのです。
 23時間営業、しかし、そのコンセプトに縛られるため、オペレーションはファミレス対応となりますから、
 イタリア風素人料理しか供せないことは明白です。
 ほとんど終日営業ですから、
 厨房を取り仕切るシェフ制度をとれるはずがありません。
 寝ずに料理を毎日造り続ける、または指示しつづける
 ロボットのようなシェフがいるはずありません。
 優秀なシェフや正社員の厨房スタッフを交代制で何チームも確保して
 終日営業をすることも不可能でしょう。
 そんなチームを抱えたら、固定費が2倍、3倍になるからです。
 高いレベルの料理をわざわざ客が減るであろう
 深夜や早朝営業するメリットがあるはずがなく、
 結果は固定費のかからないパートやバイト要員を雇っての
 ファミレス式料理を提供するしか方法はないのです。
 来店するとこの推測は確信に変わります。上下白い制服のスタッフ。ベレー帽が気色悪い。
 オーナーなのでしょうか、
 黄色のカーディガンに白いパンツも一般客には近寄りにくい。
 厨房スタッフも、廉価な多店舗ダイニングの
 「ラ ボエム」と変わらないレベルと読みました。
 <明日につづく> |