| 第933回ワインの諸々 96
 原産地呼称は曖昧なものなのか
 シャンパーニュの認定品種が8種あったという衝撃から立ち直らない私に、更に追い討ちをかけるメールが
 知人を経由して来ました。
 8種の品種を使ったシャンパーニュを扱っている
 関係者からのものでした。
 INAO(Institut national des appellations d'origine)は、
 原産地呼称全国機関と訳される
 フランスのワインやチーズなどの
 原産地呼称の権限をもつ機関であります。
 創設は1935年に遡るそうで、
 「各AOC呼称のワインおよび蒸留酒に適用される
 生産条件および呼称使用を認められる生産地域を確定する。
 この条件は、とくに、生産地域、
 1ヘクタール当たりの収量、ブドウの品種、
 ワインのアルコール度数の下限にかかわり、
 ブドウの栽培、醸造、蒸留の過程で
 何も添加しない自然の製造を前提としなければならない。」
 とされているそうです。
 衝撃をうけたというのは、この原産地呼称の大元には、シャンパーニュの品種にシャルドネの記載がないというのです。
 INAOの規定品種には、
 「全てのピノ系ブドウ、アルバンヌ、プティ・メリエ」
 とあるだけとか。
 現状認められているとされている8種の品種とは、
 アルバンヌ、プティ・メリエ、フロモントー、アンフュメ、
 シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、ピノ・ブランだとか。
 これらのセパージュ、聞いたことないのがほとんどでした。
 アン・フュメやフロモントーもピノ系のブドウだそうで、
 厳密にいうと、8種のうちシャルドネだけが、
 前述のINAOの規定に入っておりません。
 ということは、現在出回っている
 シャルドネを使用しているシャンパーニュは、
 AOCシャンパーニュを名乗れないではありませんか。
 しかしこれには「落ち」があるそうです。
 当時シャルドネはピノ系ブドウと認知されていたというのです。
 それが最近の遺伝子検査で、
 シャルドネはピノ系ブドウではないことがわかったとか。
 本来ならば、INAOの規定に
 「シャルドネ」を加えなければならないですが
 未だに追加されていないそうです。
 現状のシャンパーニュのほとんどがシャルドネを使っていますから、
 今さら事を荒立てて追記することを避けているのかもしれません。
 イタリアと違って、
 フランスの原産地呼称法は厳密だと習いましたが、
 なんとも曖昧な部分があるではありませんか。
 本日の内容は業者の方からのメール内容をそのまま採用させていただきました。
 まったく知らなかったことばかり。
 宣伝に一役買ってしまったかもしれません。
 そういう意味では、今日のコラムは聞きかじり、
 俄か知識にも至らぬものですが、
 友里は知らない事をお教えいただいた時は、
 正直に開陳する主義であります。
 内容が衝撃的過ぎて、早く皆様にお伝えしたくて時間が足りず、
 INAOなどに裏をとっておりませんが、
 確かなことだと推定します。
 皆様のご意見をお聞きしたいと考えます。
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