自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第905回
ワインの諸々 92
久々に鮨屋でワイン

鮨や和食でワインを飲む事を批判しているが、
実際飲んだ事があるのか、とのご批判に備えて、
最近鮨屋で無理にワインを飲んでまいりました。
確か記憶では、銀座の「寿司幸 本店」で
昼1回、夜2回と日刊ゲンダイのコラムのために
無理して訪問してワインを飲んだのが昨年。
久々の鮨とワインのマリアージュでありました。

訪問した店の実名や、また鮨自体の事を述べるのは今回控えます。
まだ一回しか訪問しておらず、
ちょっと飲みすぎて(ワインではありません)後半の記憶が薄く、
肝心の鮨に対する考えがまとまらないからです。

さて、最近雑誌でもちょっと露出しているその鮨屋。
ボトルも置いてあるようですが、
グラスワインも3〜4種ほど用意されていました。
シャルドネ系が2種、
サンセールにリースリングだったかゲヴェルツだったか。
だいたい1千円前後だったと記憶しています。
結局飲んだのは最初の2杯だけ。
シャルドネ系を飲みました。
個人的には、
サンセールなどの方が合うのではないかと思ったのですが、
ツマミにはシャルドネが合うとのお店側のお勧めでした。
ワイン自体が嫌いではないので、
ツマミでも何でも、
極端に言えば、饅頭相手でも飲む事は出来ますが、
ツマミの途中、3杯目からこの日は日本酒に切り替えました。

多少の無理があったのでしょう、その後の日本酒のすすむこと。
ツマミ系が充実していたこともありますが、
かなりの本数を空けてしまい、
後半の握り鮨の記憶が薄れてしまったのです。

「次郎」など、
鮨屋は飲み屋ではないとツマミを軽視する風潮が残っています。
マスヒロさんもお酒が得意ではないですから、
二郎さんの意見に賛成のようです。
私も、ツマミと握り鮨は別だと思いますが、
「すし 匠」系列や最近話題の銀座の「椿」など
かなりツマミに力を入れているというか、
握りのウエートを下げているところも目立つようになりました。
鮨は仕事よりタネ質が優先する料理法だというのは、
修行経験の少ない
昨今の若手鮨職人の台頭で証明された定説になっております。
タネ質重視の若手の鮨屋のツマミは当然良いものが揃っております。
結果、支払額はかなり高くなる傾向ですが、
修行、仕事、経験とお題目を唱えていた
いわゆる「古き鮨職人」からニューウエーヴ、
いわゆる「鮨ボーイズ」たちへの世代交代の時期にあると考えます。
オヤジの前でじっと我慢していた
中年の鮨職人も刺激を受けて独立に拍車がかかっております。

二郎さんの長男、次男は今後どう進んで行くのでしょうか。
いままでの反動で、
彼らの時代になったら反発をくらう可能性もあります。
なぜ二郎さんだけに注目、日本一の職人と持ち上げるのか。
ひたすらヨイショしまくるマスヒロさんですが、
コバンザメに徹する前に、次世代である長男、次男の立場も考えた、
二郎さんだけへの贔屓ではない対応が必要だと思いますが、
彼には永遠にわからないでしょうね。


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2006年2月26日(日)

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