第888回
賞味期限切れの拙著を取り上げてくれた本があったとは
本日のコラムは、昨年末に出版された本の紹介であります。
「読んだ、飲んだ、論じた(鼎談書評二十三夜)」 (飛鳥新社)
鹿島茂、福田和也、松原隆一郎三氏の
共著というか鼎談形式の書評集であります。
「文藝春秋」誌上で連載された鼎談書評を、
飛鳥新社で単行本とする理由がイマイチわかりませんが、
分厚く2200円+税とかなりの出費でしたが、
結果的には拙著の宣伝になりますので購入した次第です。
数日前、日刊ゲンダイの編集長より
この本の書評がかかれた夕刊紙が送られてきました。
もっと他の有名な書き手の本の書評を引き合いにだして
評論するのが普通ですが、
ゲンダイには気をつかっていただいたようで、
コラムを担当させていただいている
友里の本を中心に紹介されていました。
もう3年になるでしょうか。
友里征耶という無名のペンネームで出版した拙著に、
最初に注目していただいた恩人は、
邱さんとこの福田和也氏であります。
週刊新潮の彼の書評で最後に
「今すぐ編集担当は執筆依頼に行くべき」と〆ていただき、
文字通りまったく一時的ではありましたが、
週刊誌などから依頼が来たものでした。
当時からでは、唯一「日刊ゲンダイ」が今でも続いているだけです。
そして年末だったか、
その後、文藝春秋で3氏による鼎談書評が載ったわけです。
今回の出版本は、
当時のものをそのまま掲載していると記憶しています。
拙著の方向性は山本益博氏の書き物と違って
3氏に認めていただいたようですが、
一緒に食べたくない人間だとぶった斬られてもおります。
これを書くとまたまた増長している、
何様だと思っているのか、とお叱りをうけるかもしれません。
だいたい福田和也氏はじめ3人が
「なんぼのものか」と言われるかもしれません。
しかし、
自称料理評論家、数居るフード・レストランジャーナリストたち、
素人副業ライター(私もです)たちが書く
「飲食店評価本」が乱発されている中、
拙著だけがこういう取り上げられ方をされたということが、
他の飲食店評価本とのコンセプトの違いを認めてもらったと
勝手に解釈、当時は嬉しさがこみ上げたのでした。
目立ちたがり屋でへそ曲がりですから、
人と違っていると認められることを嬉しく感じる友里であります。
しかし、もう3年が経とうとしています。
パート2がでてからも2年が経ちます。
今尚都心では、平積みもしくは棚に数冊並べられているなど、
我ながらしぶとい本だと思っておりますが、
友里流に言い放つならば、もう「賞味期限切れ」の本。
そんな本の鼎談書評を掲載して、
他の本の足を引っ張る結果とならなかったか、
いくらか心配であります。
「さとなお」さんと違って、
自己顕示欲の強さ、自己宣伝、自慢話を素直に認める友里。
本日は、拙著というか賞味期限切れ気味の
友里征耶自体の宣伝と自慢をさせていただきました。
「東京カレンダー」や「東京情緒食堂」ならば、
頁の枠下に小さく「PR」と印刷した誌面と同じであります。
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