自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第812回
マスヒロさんへの根本的な疑問 4
ネタ探しと言い訳は天才的

料理に対する味わい能力、
つまり本当においしい料理とおいしくない料理の判別能力に
友里が疑問を持っている山本益博氏。
なんであんな店、料理を絶賛するのか
不思議に思われる読者の方も多いと思いますが、
もともとその能力がない人だと理解すれば不思議でもありません。
しかし、この友里がシャッポを脱ぐ能力が
彼にはいくつかあるのです。
勿論料理の味わい能力以外で。

一つは、ネタ探し。
毎週、週刊現代で絶賛の料理を紹介し続ける継続力に脱帽です。
悪い店も取り入れれば毎週でも可能でしょうが、
そういくつも、絶賛するほどの料理を出す店が
この日本にあるのでしょうか。
最近は、B級店に近いジャンルにまで踏み込んで来ましたが、
なんやかんやと、
変な理屈と言い回し、奇妙な褒め言葉をひねり出して、
普通の、いや中には美味しくない店を
「絶賛店」に捏造されております。
シーラカンスと化した、今では誰も見向きもしない埋没した
「シェ フィガロ」を今年持ち出してきたときは驚きました。
今年のテーマは「クラシックとモダン」とか言っていましたが、
とっくに賞味期限が切れた、
やる気のないスタッフたちはいつまでも皿を片付けない
雑然としたテーブルの店を堂々と勧めてくるのですから、
どんな店でも名店、絶賛店に仕立て上げてしまう能力は天才的です。
さすがに、
「フィガロ」で計画していた食事会は取り消されたようですけど。
誰も行きたいとは思わないはずですから応募者がいなかったのかな。

そしてもう一つは、言い訳です。
ここ数年、若手を含めて新しい店の料理人へのヨイショというか、
宣伝がかなり目に付くようになりました。
名伯楽を気取る言動が私には鼻につくのですが、
そのような批判を耳にしたのかどうかわかりませんが、
次のような言い訳を用意してきました。
「自分は、千花、弁天山の先代などに引き立てられ今日を築いた。
今度は、その恩返しに、若い職人を後押し、応援する番なのです」
といったものです。
要は、ヨイショ、宣伝、売り出しも、
「恩返し」ということにすりかえております。
料理評論家の肩書きのはずですが、
評論を捨て、売り出し、ヨイショ、宣伝、料理人への恩着せ、
はすべて「恩返し」ということで正当化してしまいました。
最近は、クラシック評論で致命的な原稿ミスをしたことも、
うまく言い訳していましたから、
この「言い訳能力」は、「処世術」に加えて
天才的であると考えます。


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2005年11月11日(金)

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