第750回
友里征耶の問題点 3
昨日まで素人だった奴が・・・
私も自己顕示欲が強いのでしょう。
知人たちへ配信した料理店レポートが
グラフ社の編集役員の目に留まったのが、
拙著の出版のきっかけでした。
昨日までただの一般客であった
素人(今でも自分では一般客の一人と思っています)が
突然自費ではなく本が出せちゃったわけですから、
ミーハーで自己顕示欲の強い私にとっては
かなりラッキーだったと考えております。
以前にも述べたと思うのですが、
私の周りだけでもびっくりするくらい外食経験が多く、
しかも舌の基準がブレずに
その判断が信じられるという方がかなりいます。
食材や料理法の知識もはるかに上、
その舌の能力もとてもかなわない
という方たちを目の当たりにすると、
自分の位置づけというものが嫌でも理解させられます。
私に言わせると、
マスヒロさんや犬養さんも
料理人たちからの受け売り知識は豊富でしょうが、
料理評価は素人同然だと思うのですが、
この本当に素人である友里征耶が、
コラムで偉そうに断言している姿をある意味ご不快に感じている方も
かなり多いのではないかと推測します。
私でさえ、マスヒロさんや犬養さんへの反発は、
「何も分かっていないくせに」
といった考えが脳の深層にあるかもしれないことは
否定できないからです。
友里へのある種の問題というか一般の方からの反発は、
やはり素人のくせに厚顔に発言、言い切ってしまうこのスタンスが
一つの要因であると考える次第です。
料理の食後感は人により千差万別であるかもしれません。
最近凝っている鮨ですが、
コテコテ江戸前と新鮮ネタ鮨の
どちらがおいしいかとは言えないのと同じだと思います。
「あの人は味がわからないから」
と私もつい言ってしまう場合がありますが、
逃げるわけではなく
どちらかというと私は料理自体よりも
経営姿勢についての評価に重きを置いているつもりでいます。
「ワインや料理の値付けなど細かいことを言っている」
と、その部分でも批判をいただいているわけでありますが、
素人で経験や舌が傑出しているわけでない場合、
せめて私の評価スタンスと着目点だけが、
巷多々いらっしゃるフードライター、料理評論家と差別化できる、
唯一の存在価値
(またまたその存在に意味がないとの意見もあるでしょうけど)
がある点だと自覚しております。
覆面を含めてこのようなスタンスを取り続ける限り、
「素人」から脱却できるわけではなく、
それに対する批判が今後も続くであろうことは
仕方がないと考えます。
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