| 第712回銀座で埋没しないか、さわ田 2
 
 基本的にお任せの内容は変わらず、ツマミ、握り共10種以上が3時間かけて供されます。
 当日は、ヒラメの質がイマイチと感じた以外、
 相変わらずレベルの高いタネ質だったのですが、
 私は価格上昇以外にCP低下に直結してしまう事に気がつきました。
 ずばりポーションです。ウリの一つだった蒸し鮑。
 あるフードライターは、赤ん坊の握り拳大と称するほど
 一人分が大きかったのですが、定員が7名に増えたためか、
 かなり小さくなっていました。
 しめ鯖も厚みが薄く、
 もう一つのウリである大トロの炙りも一人分は小さかった。
 質だけで勝負する鮪や白物のほか、
 コハダやキスといった一仕事した〆物も
 かなり良くなってきていると感じて、
 握りも含めて最終的にはお腹一杯になります。
 よって定員が5名から7名に増えた影響で、
 ネタによってポーションが小さくなるのは致し方ないことなのか。
 女性スタッフが入るはずだったが寸前で離脱したということで、主人一人のサービスで、一人当たり3万円強。
 春先には若い衆が一人入ったからか、
 客単価は3万5千円にまで上がってしまったと聞いています。
 時間単価としては銀座で高くはありませんが、
 入店時刻や食事時間が制限されてしまう
 この中野式が今後も銀座の客に通用するでしょうか。
 同伴カップルは無理。
 基本的にお好みがないので年寄りも難しい。
 今は中野からの常連などで盛況のようですが、
 一巡した後が勝負どころでしょう。
 中野の時の常連が、銀座の他の高額鮨屋を経験してしまうと、
 浮気されてしまう可能性があるからです。
 <結論>銀座の鮨屋でも「次郎」を除くと
 予算的にはトップに位置する高額鮨店。
 中野だから受けた主人一人での澤田劇場3時間が、
 銀座客に必ずしも受けるとは限りません。
 ネタ質では優劣つけ難い高額店が集まっている銀座です。
 どこまで自分のスタイル、意地が通せるか、
 半年、1年先が読めません。
 いすれは営業形態を変えていくといった噂も聞いております。
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