第696回
高いからおいしいのは当たり前か、祇園 丸山 2
カウンターは向かって右側に焼き場があり、
実際焼く時は熱放射を遮断する為か、板でブロックしていました。
いくらか客へ向かう熱放射が減少されるシステムで、
あの「幸村」なども見習うべき知恵といえるでしょう。
しかし、今年移転した「室町和久傳」では、
直ぐ目の前が焼き場でほとんど遮蔽されるものがありませんでした。
客の目の前でのパフォーマンスですが、
居心地をとるか、暑くて煙いがパフォーマンスをとるか、
難しい問題です。
和久傳と同じく日本酒は竹酒が主体です。
多分「玉乃光」だと思うのですが、
菊姫や天狗舞が一合3千円以上しますから他に選択肢はなく、
これしか頼めません。
日本酒の値付けや品揃えは、
和久傳グループも含めて改善して欲しい点であります。
カウンター内は造りと焼物以外は仕事をしないようで、
若いスタッフが2人。
お椀やその他の皿は奥の厨房で造られ、
ベテランらしき人が仕切っておりました。
生姜湯に始まって、朴葉焼きの牛ロースは半生で美味。
お椀は勿論、若狭のグジで
これまた東京の和食に慣れている私には素晴らしい出汁に感じます。
造りに出たトロは一緒に出た鯛に比べて質に疑問。
やはり鮪は東京でしょう。
ただ、大根ではなく鯨の軟骨のツマは食感が面白い。
間人蟹のグリーンタグを
客に見せるパフォーマンスはなかったですが、
本日のメイン、蒸し蟹と焼き蟹は、
火加減もよくジューシーさは新しい証です。
コッペ(甲箱蟹・メス)やミソ、甲羅酒などもついて
量も充分満足するものでした。
穴子の炊き合せ、原価は安そうだが
紅葉ご飯(明太子)などもおいしく、
食後感よくホテルへ帰るはずだったのですが、会計をみてびっくり。
3万円コースにビール、竹酒で
一人4万円以内に終わると想像していたのに、
一人当たり4万5千円。
サービス料など見えない経費がかかったのでしょうか。
酒代やサービス料など請求価格が不明瞭。
そういえば、個室で食べていた先客がチェックで揉めていました。
請求の明細を出させて酒の本数をチェック、
店側に訂正を要求していたのです。
たまたまだったのか、常習なのかどうか、
料理が悪くないだけにきっちりしていただきたいと思います。
<結論>
頼んだ酒量の割に、自分の計算より支払いが多少上回るのが残念だ。
これだけ払えばおいしくて当たり前だが、新鮮さが命の松葉蟹。
移動距離などを考えると、
東京ではこのレベルの蟹に出会うのは無理だと考えます。
お椀なども上のレベル。
しかし、京都でもここまで支払わなければ
このレベルの料理に出会えないのでしょうか。
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