| 第689回あの店は今・・・みかわ けやき坂通り店 2
 
 夜は1万円コースのみ。以前はいくつかコースがあったと記憶していますけど。
 今回初めて気がつきましたが、
 大根おろしは開店時刻から
 擂りっぱなしのものが放置され続けています。
 安い天麩羅屋ではないのですから
 まったくの手抜きと言えるでしょう。
 日本一の天麩羅職人の分店にしては脇が甘い。
 ほとんど実戦の経験がない新しい揚げ手でありますが、天才といわれる早乙女主人と天麩羅自体はあまり変わりません。
 焦げ目の強い、脱水しすぎた旨みのない海老や白身が続きます。
 楽亭など山の上ホテル出身系の店では
 考えられないくらい焦げており、
 早乙女氏は本で色々薀蓄を言っているのですが、
 この店では違ったネタ、
 たとえば海老の兜と野菜を同時に揚げる禁じ手をしています。
 油は胡麻油と綿実油のブレンドですが、
 客が1回転以上しているのに(キャパは20人近い)
 交換を確認できたのは20時前に1回のみ。
 相変わらず油の交換には慎重です。
 師匠と同じく、海老は尻尾を左上にして出しますから、
 右利きの客は箸で持ち替えなければなりません。
 他店ではありえないことです。
 食材的にもこのコース価格は割高でしょう。海老は2尾のみ。
 兜がつくとは言っても普通3尾以上はでる価格帯のはずです。
 魚3、旬物1、イカ2に野菜が2種であとは掻揚げ。
 量、種類そして質とも不満です。
 ただしお酒は安い。
 1合が630円なのでビールに適度なお酒を飲んでも、
 夜は1万3千円前後で終わりました。
 20時頃、大きなガタイの男性が女性と二人連れで入ってきましたが、予約をしていなかったからか断られて
 すごすご出て行く光景を目にしました。
 「みかわ」があるマンションに住んでいる首相経験者でしたが、
 差別せず断った女将さんを少し見直した次第です。
 帰り際に隣の「パ マル」を覗いてみたら、
 わずか数組の客の一員として寂しく食事をして首相経験者夫婦。
 しかし、彼らの外食は、
 本当に議員報酬の可処分所得からの「自腹」なんでしょうか。
 <結論>早乙女氏は本ではなんだかんだと偉そうなことを言っていますが、
 油は変えない、
 違ったネタを同時に揚げる(揚げる温度の違いが実はない)、
 高温すぎるのか焦げ目が強い、
 ポッと出の若手と天才の天麩羅がたいして変わらない、
 など実態を冷静に見てしまうと、
 なぜここまで過大評価されているのか不思議です。
 勘違い作家、
 でしゃばり料理学校長の犯した罪は大きいのではないでしょうか。
 でも、けやき坂通り店は別にして、
 「天才?」が挙げる茅場町店は今でも超満員です。
 マスコミに無理に作られた神話はまったく信用できません。
 業界人だけではなく、文化人と称する人たちの舌にも疑問、
 本当に味がわかっている人たちなのでしょうか。
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